あのジブリが手紙で返答してきた。。大人気作品『千と千尋の神隠し』で登場した食べ物と、両親が豚になった本当の理由を知っていますか??
名作に潜む謎
ジブリにはたくさんの名作がありますよね。
トトロや魔女の宅急便など、誰もが見たことのあるものばかりです。
どの物語にも、現実世界とはちょっと違う世界感があります。
中でも、千と千尋の神隠しは、カナリ不思議な世界に主人公が迷い込むというストーリーでした。
劇中で、主人公の千尋の両親が、食べ物を口にすると豚になってしまったというシーンがあります。
「お父さんが食べていたものはいったいなに?!」
「どうして千尋の両親は豚になってしまったの?」
と話題になりました。
最初の方にでてくるのですが、あなたもこのシーンに見覚えはありませんか?
問題のシーンがコチラ
お父さんがおいしそうに食べているこの料理。
肉のようにも見えますが、麺の塊にも見えなくもない・・・(笑)
片手に持っているのはウインナーでしょうか?
本当に謎です。
ジブリへ質問を送ってみた
Twitterユーザーのある方が、ジブリに直接手紙を送ったそうです。
千と千尋の神隠し見てて思い出したけど、すごーい昔お父さんの食べてる物と両親が豚になった事が疑問で疑問だったからジブリに手紙送ったら、忘れた頃に返信きた笑
今もこの手紙は額縁に飾って保管してる笑 pic.twitter.com/aFbyaMIOsz— *のんたろす* (@0910noncha) 2016年7月9日
どうしてだろう?と思っても、なかなかそれを行動にうつせる人は数少ないですよね。
彼女の行動によって、その疑問が明らかとなりました。
ジブリから届いた手紙の返事にははたして何が書いてあったのでしょう。
ジブリからの手紙
すごい、こんな封筒で届くんですね!
ジブリから手紙が来るなんて、なんだか興奮します・・・!
@0910noncha こんな丁寧な返信をくれるなんて凄いなあ。
だから、世界中で愛されているのかな♪( ´▽`)— スペース西城五郎 (@5602omakase) 2016年7月10日
まさかそこまでの深い意味があったとは。
ちょっと凄いと思ったRT— yuri (@rikuyura_bf) 2016年7月10日
彼女のツイートにより明らかになった真相に、ネットでは感動の声が上がっていました。
では、お待たせしました。
ジブリからの手が手紙の全貌がコチラです。
あの不思議な食べ物はなに?
お手紙読ませて頂きました。
ご質問についてお答えします。
(1)千尋のお父さんが食べている不思議な食べ物
特に明らかにされていないので、異界の不思議な、
しかも“すごくおいしそうな”食べ物と言うことぐらいしか言えません。
鶏肉のようにも見えますが、
お母さんが「骨まで柔らかいよ」と言っているので、鶏だとしたらまるごと食べるのは無理です。
湯婆婆によると「お客様の食べ物」ということですから、
神様たちと、彼らをもてなすこの世界の住人しかわからない生き物の料理なのでしょう。
しかし、千尋が「この街はおかしい」と気付いた頃、
お父さんお母さんはすっかり豚になり言葉も失っているというのは、あまりにタイミングが良すぎる気がします。
「お客様の食べ物」であるだけでなく、「迷い込んだ人間を待ち受ける罠」と考えてもいいかも知れません。
どうして豚になったの?
(2)豚になった千尋のお父さん
簡単に言うと、お父さんは漁師を食べてすぐ豚になったのではなく、少しずつ本当の豚になっていったのです。
それは千尋が湯婆婆に名前を取られて、だんだんと元の名前を忘れてしまい、
ハクに言われるまで思い出すことができなかったのと同じようにです。
『千と千尋の神隠し』は、異界を描いたものであると同時に、
私たちが暮らして言う現実の世界を描いたものです。
そして映画のテーマは、美少女でもなく、類稀な心の持ち主でもない、ヒョロヒョロの手足とぶちゃむくれの表情の、
まさに等身大の現代っ子が、危機に直面して生きる力を獲得するというものでした。
宮崎監督によると、この映画には千尋と同じ年頃のすべての女の子に向けて、
「抜き差しならない関係の中で危機に直面した時、本人も気づかなかった適応力や忍耐力が沸き出し、
果断な判断力や行動力を発揮する生命を、自分がかかえている事に」
気づいてほしいという願いが込められています。
宮崎監督からの深いメッセージ
その千尋とは対照的に、
お父さんとお母さんは神様とも魔物とも知れない住人たちの罠に陥ってしまいます。
千尋にとっては、宮崎監督の言葉によれば、
「10歳の少女が世の中というべき中へ投げ込まれ、
修行し、友愛と献身を学び、知恵を発揮して生還する物語であり、
彼女は「浸食され、喰らい尽くされる」ことなく、「生きる力を獲得する」のですが、
お父さんとお母さんにとってはその逆のこと、つまり「喰らい尽くされる」側になることを体験するのです。
これは何もファンタジーの世界だけの出来事ではありません。
宮崎監督によると、
バブルの時に本当に豚そのものになっていた人がいて、
今でも自分が豚になっていることに気がつかずに、
不景気だ、エサが足りないと言い続けているのと同じだということです。
千尋はそれでも、最後に湯婆婆の試しに挑戦し、「この豚の中に両親はいない」と言い当てます。
いったいどうしてでしょう。
千尋が特別な能力を身につけたから、両親と豚を見分けることができたのではありません。
10歳の女の子が数々の危機をくぐり抜けて、「生きる力」を獲得したら、
みんな自然とそれが出来る筈、というのが宮崎監督の答えです。
お話は難しかったでしょうか。
今後ともスタジオジブリの作品をよろしくお願いします。
スタジオジブリ
やっぱりジブリはすごかった
なるほど、としか言いようのない完璧な返事でしたね。
子どもが相手でも、ストレートに思いを綴ってくれる真摯な姿勢こそ、
長年愛されてきた秘密なのかもしれません。
宮崎監督によって込められた思いをふまえた上で、
もう一度千と千尋の神隠しが観たくなりましたね。
これからも、子どもだけでなく大人の心にも響く作品を楽しみにしたいです。
サムネイル:引用元