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『日本初のヌードポスター』!!肌の露出がタブーとされていた時代。ポスターをキッカケにモデル女性の人生が破滅していった...

『日本初のヌードポスター』!!肌の露出がタブーとされていた時代。ポスターをキッカケにモデル女性の人生が破滅していった...

ケント : こんにちは。お酒大好きケントです!


ヒロミ : 体の水分全部お酒でしょw


ケント : 今回はお酒の中でもあるワインに注目するよ!
多分ヒロミも見た事あるでしょ?


ヒロミ : 飲んだ事はないけど、見た目のインパクトすごいよね。


ケント : そんなワインから見えてくる、ある一人の女性の人生を紹介します!


赤玉ポートワイン

写真1
出典:http://www.suntory.co.jp  
 
皆さんは「赤玉スイートワイン」という名称を聞いた事がありますか?
聞いた事がなくても、写真のボトルは見た事がある人は少なくないと思います。

かつては「赤玉ポートワイン」という名前で販売されていましたが、現在は「赤玉スイートワイン」に変更されました。
馴れ親しまれてきたため、いまだにポートワインと呼ぶ人も多いのだそうです。

NHK連続テレビ小説で・・・

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出典:www.amazon.co.jp  
 
2014年9月29日から2015年3月28日まで半年に渡って放送されたNHK連続テレビ小説「マッサン」。
ご覧になっていた方もいると思います。

このドラマはニッカウヰスキーの創業者であり、「日本のウイスキーの父」と呼ばれている、竹鶴 政孝(たけつる まさたか)氏をモデルとしたものでした。

このドラマの中で密かに話題になっていた女性がいるのをご存知ですか?

ポスターの女性は誰!?

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劇中に登場したこのポスター。
放送終了後に、この「ヌード」ポスターの女性は誰だ?とNHKに問い合わせが殺到したそうです!

この女性は女優やグラビアアイドルとして活躍する柳ゆり菜さん。

しかし、このポスター、実はモデルとなっている人物がいるのです。

元のポスターのモデルは?

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劇中では「太陽ワイン」のポスターとなっていますが、元は冒頭で紹介した「赤玉ポートワイン」の宣伝ポスターだったのです。

今でも酒屋さんなどで時々見かけることがありますが、見た事がある方はいるでしょうか?

そして、このポスターは一人の女性の人生を大きく狂わせているのです!

日本初のヌードポスター!!

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上記の写真に写っている女性は新劇の女優・松島栄美子さん。

大正11(1922)年に制作された日本初のヌードポスターなのです!

手がけたのはサントリーホールディングスの前身「寿(ことぶきや)屋」。

「いいものを作ってもそれを知ってもらわないことには売れへんのや」という創業者の信念のもと、このヌードポスターは誕生したそうです。
出典:http://www.sankei.com  

しかし、このポスターの仕事を引き受けたことにより、彼女の人生は一変してしまいます。

女優・松島栄美子

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東京都出身の彼女は、学生時代は中国で過ごし、21歳の時に結婚。
女学院時代の友人からの勧めで新劇の女優となるのですが、両親からは反対されたそう。

その時の事を彼女はこう語っています。

「そのまま、ズーッといけばただの奥さまだったのよ。ところが、女学校時代の友だちが浅草にいて、”女優さんを募集しているわよ。はいってみなさいよ。”とすすめるんです。ええ、両親は大反対。でも、夫が芝居に関係した人でしたから、まあどうにか説得して…」

出典:https://ja.wikipedia.org  
 
人生はちょっとしたボタンの掛け違いのようなものなのかもしれないですね。

写真撮影

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赤玉を売り込むために組織されたオペラ団「赤玉楽劇座」。
この劇団のプリマドンナが松島栄美子さんだったことからポスターのモデルに起用されたそう。

撮影された当初は、モデルの松島さんは着物姿でしたが、徐々に肌着姿となり、気づけば上半身を出して撮影していたそうです。

撮影時の様子を彼女はこう語っています。

「いいえ、舞台でも胸のあいた衣装を着ていましたから、はずかしいとは思いませんでしたよ。それより、私みたいなものをモデルにして、うまい写真がとれるかと、そればかりが心配で…」

出典:https://ja.wikipedia.org  
 
女優魂が伺えますね!

すさまじい反響

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出典:irorio.jp  
 
スタジオに延べ6日間も缶詰めにされ、1ポーズにつき50〜60枚もの写真が撮られたのです。

撮影にあたって、当時はヌードモデル料という概念もなく無料だったというから驚きです!!

彼女が赤玉に貢献した売上といったら…。

印刷技術開発に時間を要し、撮影から1年後、ポスターが完成するとその反響はすさまじく、赤玉は驚異的な売り上げを記録したほか、ドイツで開かれた世界ポスター品評会でも1等に入選しました。
出典:http://www.sankei.com  

しかし、彼女の人生は…

当時は”タブー”の時代

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現在ではグラビアアイドルの方などが活躍している時代ですが、

当時の日本は”女性が肌を露出するのはタブー”とされていました。

風俗取締りがきびしくて、裸をあらわにすることに対して病的に神経質だった当時の日本。

その後の彼女の壮絶人生とは…

警察の取り調べ・親からの勘当

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出典:danshi.gundari.info  
 
風紀紊乱(びんらん)に当たると警察当局からクレームがつき取り調べを受け、上半身露出のポスターは「若い娘がやることではない」として、姉弟、親戚中から批判され、親からは勘当。
出典:https://ja.wikipedia.org  
 
何事も初めて事を成す人には風当たりが強くなるのは世の常なのかもしれませんね…。

既婚者というだけで・・・

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さらに彼女を追い込んだのは…

ポスターにより世間で松島さんが大変な人気を博した当時、芸能活動をするにあたって既婚者であることを伏せていましたが、とある新聞が「松島栄美子には夫がいる」と記事に書き立てたことから人気の凋落につながり、芸能活動の第一線から退くことになってしまうのです。

結婚と芸能活動について彼女は語っています。

「ところが、どこかの新聞が“松島栄美子には夫がいる”と書いたんですよ。いいえ、私は人妻であることを、いつでも公表するつもりだったんです。でもねえ、マネージャーが反対するんで、それで隠しておいたんですけど、これが逆目に出ちまって、人気はガタ落ち。…そうねえ、いまも昔も、芸能人とマスコミの関係は、よく似てますよ」

出典:https://ja.wikipedia.org  
 
今も昔も人もマスコミは全く変わっていないですね。
しかし、それを面白がる私たち一般人にも問題があるように思いますが…。

その後の彼女

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消息不明の彼女でしたが、彼女の甥で東京在住の写真家、川島徹さんが撮影した写真によって彼女の消息をつかむ事ができたのです。

松島栄美子さんはすでに亡くなっており、この写真は栄美子さんが亡くなる直前に川島さんが自宅で撮ったものだそうです。
出典:http://www.sankei.com

モダンできれいな人

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甥の川島さんは叔母である栄美子さんの事を、

「畳敷きにお膳の時代に、テーブルとソファという洋式的な生活をしていました。モダンできれいな人でしたよ」

と語っています。

90歳で亡くなった彼女は、晩年は幸せな静かな人生だったそう。
新聞の片隅に数行の死亡記事が掲載されたそうです。
出典:http://www.sankei.com

波乱万丈の人生

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マッサンの放送により、再び注目を浴びた女性初のヌードポスター。

時代の荒波にもまれながらも、強く、そして凛として生きたきた様子が写真から垣間見えます。
彼女の人生からは今を生きる女性たちも学ぶことが多々あるような気がします。

自分の人生をどのように行動し、どのように生き、そしてどのように全うしていくか、考えさせられるエピソードでした。

結論


素敵です!!