少年の日の思い出: エーミールの悪しき行為の背後にある暗い真実に迫る
ライターのMariaです。少年時代のある出来事を振り返り、エイミールという少年の邪悪な行動の背後にある暗い真実に迫ります。
一方的な被害者: エーミール
エーミールが「ぼく」の提案を拒否した理由は?
価値がないから
「少年の日の思い出」では、エーミールは「ぼく」の蝶のコレクションを破壊したことで一方的な被害者として描かれています。
エーミールは「ぼく」から賠償としてコレクションをすべて差し出す提案を受けましたが、その価値がないとして拒否しました。
また、彼は「ぼく」がチョウを取り扱う姿を見て、コレクションの価値をすでに理解していることを示しました。
エーミールは、感情に支配されずに大人な態度を示し、自分の努力の結晶を尊重しました。
詳しくみる ⇒参照元: 『少年の日の思い出』のエーミール全然悪くなかった説少年の嫉妬と罪悪感
少年は隣人のエーミールの所持品に対してどんな感情を持っていたのか?
妬みと憎しみ
少年は幼い頃から蝶集めに夢中になり、隣の家のエーミールが持っている美しいコレクションに憧れを抱く。
しかし、エーミールに対しては嫉妬と憎しみを募らせていた。
ある時、少年はエーミールが珍しい蝶のヤママユガを手に入れたと聞き、どうしても見たくてエーミールの家に忍び込む。
そして、ヤママユガをポケットに入れて持ち出すが、結局壊してしまう。
少年は罪悪感に苛まれ、エーミールに謝罪するが、エーミールは少年が蝶を壊したことを知ると、軽蔑の態度を取る。
少年は自宅に戻り、持っていた蝶のコレクションを全て破壊してしまう。
詳しくみる ⇒参照元: 【あらすじ・感想】少年の日の思い出を簡単に解説!作者が伝えた...少年の日の思い出における「ぼく」の人物像
エーミールと「ぼく」の関係とは?
友人
「少年の日の思い出」は、大人になった「ぼく」が過去に起こった「エーミール」との出来事を語る構成をとっています。
物語の時間は「夕方」で、場所は「窓辺」です。
このシチュエーションは、「ぼく」が外と内の間で移り変わる状態にあることを示しています。
また、この「移り変わり」は物語の重要なポイントで、後のストーリーにも関連してきます。
詳しくみる ⇒参照元: 『少年の日の思い出』あらすじ&解説!エーミールとぼくのサナギ...少年の日のトラウマ
主人公は、過去に犯した罪をどのように捉えているか
認められていない
「少年の日の思い出」では、少年時代に犯した罪を過去を語る形で振り返る主人公が描かれています。
しかし、その語り口からは、主人公が自分の未熟さを恥じたり、罪を悔い改めたりする様子は見受けられません。
むしろ、本人の性質として「そんなやつだった」と認めることができないことが示唆されています。
このことから、主人公は過去に犯した罪を、少年時代の未熟さではなく、自分の本質的な性質として捉えていると考えられます。
詳しくみる ⇒参照元: 【あらすじ・感想】少年の日の思い出を簡単に解説!作者が伝えた...蝶を盗んだ少年の心理プロセス
少年が蝶を盗んだ心理プロセスのきっかけは?
例のちょうを見たい
少年は当初、蝶を盗むつもりはなかった。
しかし、蝶への欲望が徐々に膨らみ、ついに衝動的に盗んでしまう。
この心理プロセスのきっかけは、「例の蝶を見たい」という軽い好奇心だった。
少年は、盗んだ時点で罪悪感を感じていなかったが、女中とすれ違ったことで「良心」が目を覚まし、自己嫌悪や罪悪感に苛まれる。
詳しくみる ⇒参照元: 解説・考察「少年の日の思い出」—なぜ自分の蝶を潰したのか?主...「少年の日の思い出」:成長しきれないままの大人
「ぼく」がエーミールの蝶を盗んだ動機は何ですか?
「ぼく」のエーミールに対する嫉妬と憎しみ
この作品では、額縁構造が不完全なまま物語が途中で終わることで、成長しきれないまま大人になった「ぼく」の過去を表現しています。
また、「ぼく」がエーミールの蝶を盗んだのは、エーミールの「大人っぽさ」に対する嫉妬と憎しみによるものでした。
蝶は「大人」のメタファーであり、「ぼく」の盗んだ蝶は、エーミールが「さなぎ」から「成虫」へと成長したことを示唆しています。
詳しくみる ⇒参照元: 『少年の日の思い出』あらすじ&解説!エーミールとぼくのサナギ...少年の日の思い出:蝶とトラウマ
ヘルマン・ヘッセの「少年の日の思い出」で主人公が盗んだものは何?
蝶
世界的文豪ヘルマン・ヘッセの短編「少年の日の思い出」は、中学生の頃に蝶のコレクションに夢中な主人公「僕」が、近所の少年エーミールが所有する珍しい蝶「クジャクヤママユ」を盗んでしまう物語。
主人公は「せめてその蝶を見たい」という思いからエーミール宅を訪れるが、不在だったため、誰も見ていないのをいいことに蝶を盗み出す。
しかし、その蝶を偶然にもつぶしてしまう。
主人公の行動は、人間に対する深い洞察と、思春期の少年特有の心理描写が特徴で、多くの読者に衝撃を与えてきた。
また、作品は今の中学生にも読まれているが、主人公の心理描写をどれだけ理解できているかは疑問視されている。
詳しくみる ⇒参照元: 解説・考察「少年の日の思い出」—なぜ自分の蝶を潰したのか?主...ヤママユガの誤認?「クジャクヤママユ」にまつわる蛾の正体
『クジャクヤママユ』と名付けられた作品に登場する蛾の正体は何か?
ヤママユガ
「クジャクヤママユ」という作品に描かれている蛾の正体は、作品名の由来となった「クジャクヤママユ」ではなく、ヤママユガ科で日本固有種の「ヤママユガ」である。
著者のヘッセが別の蛾「Abendpfauenauge」の行動を混同していた可能性が指摘されている。
また、ヘッセが少年時代に愛読していた銅版画図鑑のクジャクヤママユの図が作品に採用されており、その後、作品の邦訳では「ヤママユガ」と表記された。
さらに、作品の初稿である「Das Nachtpfauenauge」も「クジャクヤママユ」として邦訳されている。
詳しくみる ⇒参照元: 少年の日の思い出大人になることの虚しさと過去との対峙
少年時代を捨て去り、大人になることの虚しさを受け入れることは、小説家として必要か?
否
少年時代を捨て去り、大人になることの虚しさを受け入れることは、必ずしも小説家にとって必要ではない。
むしろ、その虚しさを否定せずに受け入れ、生き続けることも重要である。
詳しくみる ⇒参照元: 『少年の日の思い出』解説|母が優しくしてくれたのはなぜか|あ...少年の日の思い出におけるエーミールの謎のセリフ
エーミールはなぜ自分が所有していた蝶のコレクションを知っていたのか?
エーミールは「ぼく」のコレクションを見て知っていた。
「少年の日の思い出」は、子供時代の子どもっぽい主人公「ぼく」と大人びたエーミールとの対比が描かれています。
この対比は、「ぼく」がエーミールの蝶のコレクションをつぶした際に顕著に表れ、エーミールが「きみのコレクションならもう知っているよ」と不可解なセリフを放ちます。
エーミールは、以前から「ぼく」のコレクションを見て知っていたため、このセリフを言ったのです。
また、このセリフは、子どもの罪が消えることなく脳裏に焼き付くというストーリーのテーマを強調しています。
大人になった「ぼく」が友人の蝶のコレクションを見て過去を思い出す場面や、「移り変わり」が描かれることで、「ぼく」の複雑な人物像が浮かび上がります。
詳しくみる ⇒参照元: 『少年の日の思い出』あらすじ&解説!エーミールとぼくのサナギ...小説の視点と現実世界の捉え方
小説を読むことの意義は?
視点の違いで世界の捉え方が変わることを理解する
小説を読むことで、ものを盗んだ側と盗まれた側の視点の違いが理解でき、世界の見え方が変わる。
この視点の違いを理解することは、現実社会でも重要で、小説を読む意義の一つとなる。
また、小説では、登場人物が「自分は善である」と信じたいがために、他人を悪く語る場合がある。
これは、自分の行動を正当化するための一種の手法である。
詳しくみる ⇒参照元: 「少年の日の思い出」を読む|ことば×思考×学び|Webコラム...少年の失われたコレクション
なぜ少年は自分の蝶のコレクションを潰してしまったのでしょうか?
エーミールからの軽蔑のまなざしを受けたからです。
少年はエーミールから自分のコレクションの欠点を指摘されたことに腹を立て、エーミールの家から珍しい蝶を盗み出してしまいました。
しかし、帰り道で思い直し、蝶を返そうとしましたが、ポケットの中で蝶がボロボロになってしまいました。
その後、エーミールに謝罪したところ、彼は少年を軽蔑のまなざしで見たのです。
少年はこの瞬間、自分のしたことが取り返しのつかないものだと悟り、帰宅後、自分のコレクションを手で潰してしまったのです。
この行動は、エーミールからの軽蔑が少年に大きなショックを与えたことを示しています。
詳しくみる ⇒参照元: 『少年の日の思い出』あらすじ&解説!エーミールとぼくのサナギ...隠されたコレクションと友情の秘密
エーミールはなぜ「ぼく」のコレクションを知っていたのでしょうか?
妹から聞いた可能性がある
少年の「ぼく」はコレクションを自慢したくても、ケースがみすぼらしいため誰にも見せていませんでした。
ある日、友人エーミールに貴重な昆虫「コムラサキ」を見せましたが、エーミールは2年も前に見たと発言します。
文脈からエーミールの妹から聞いた可能性が高いものの、「ぼく」の妹とエーミールの関係を快く思っていなかった「ぼく」が激怒するシーンから、妹ではなくエーミールが直接見ていた可能性も捨てきれません。
また、著者はエーミールのクジャクヤママユ羽化を彼の成長のメタファーとして捉え、「ぼく」の妹とエーミールの関係を憎む「ぼく」の感情が、クジャクヤママユの事件につながったのではないかと想像しています。
詳しくみる ⇒参照元: 『少年の日の思い出』あらすじ&解説!エーミールとぼくのサナギ...エーミールの「悪徳」の正体
エーミールの悪徳とは何?
主人公の妬み
「少年の日の思い出」のエーミールは、主人公の「ぼく」が住む家の近くに住む少年。
エーミールは模範少年で、標本づくりが趣味。
主人公はエーミールの優秀さに嫉妬を抱き、エーミールを「悪徳」を持つ存在とみなす。
しかし、エーミールは主人公の部屋に勝手に侵入して標本を壊した主人公に怒りを抑えており、その後のエーミールのセリフ「そうか、そうか、つまりきみはそんなやつなんだな」は、主人公の行為に対するエーミールの皮肉を込めた言葉であると考えられる。
詳しくみる ⇒参照元: 『少年の日の思い出』のエーミール全然悪くなかった説