等身大3Dプリンターの徹底ガイド:造形方法から選び方まで
こんにちは、ライターのYUKOです。今回は等身大3Dプリンターについて徹底ガイドをお届けします。
SLS方式で複雑な造形を可能にするメリット
SLS方式のメリットは?
複雑な形状をサポート材なしで作製可能
SLS(粉末焼結積層造形方式)は、高出力レーザーで粉末状の材料を焼結させ、立体物を成形する方式です。
ナイロンなどのプラスチック材料だけでなく、アルミニウム合金やチタンなどの金属材料を使ったDMP(直接金属印刷)方式も注目されています。
SLS方式の大きなメリットは、複雑な形状をサポート材なしで作成できることです。
サポート材とは、造形中にできた材料の突起やオーバーハング部分を支えるための構造物で、通常は造形後に取り除く必要があります。
しかし、SLS方式ではレーザーが粉末材料をピンポイントで焼結するため、サポート材が不要となり、複雑な形状の造形が可能になります。
この特性により、SLS方式は複雑な形状の部品の試作や、精密な医療機器の製造などに活用されています。
詳しくみる ⇒参照元: ここだけは、押さえておきたい!3Dプリンターの基礎知識業務用大型3Dプリンターの価格帯と造形方式
工業用の大型3Dプリンターの価格はどれくらい?
1,000万円以上
大型3Dプリンターの定義は、造形サイズが500mm以上で高額な機種。
業務用の大型3Dプリンターの価格は1,000万円以上。
さらに、材料費や年間保守料などのランニングコストも高額。
造形方式はFDM、光造形法、PolyJet方式、ジェル押出方式などがあり、それぞれ価格帯や特長が異なる。
詳しくみる ⇒参照元: 3Dプリンター大型の価格帯と選び方3Dプリンターの普及を促した特許権の失効
3Dプリンターの誕生を可能にした特許権が失効した年は?
2009年
3Dプリンターの基本技術は日本の研究者が1980年に発明したが、実用化したのはアメリカの「3D Systems」だった。
1988年に特許を取得した「Stratasys」が2009年に失効した特許権により、3Dプリンターが低価格化され普及が加速した。
現在は試作品や実用品の製造に広く活用されている。
詳しくみる ⇒参照元: 3dプリンターとは?基礎知識から種類・仕組み・特徴を解説大型3Dプリンターで作るためのガイド
3Dプリンターで大型のものを製造する場合、重要な考慮事項は?
造形可能なサイズ
大型3Dプリンターを選択する際は、造形可能なサイズが重要な考慮事項となる。
通常、プリンターのサイズと造形可能なもののサイズは比例しており、大型のオブジェクトを製造するには大型のプリンターが必要になる。
本記事では、一辺が30cm以上の大型3Dプリンターに焦点を当てている。
このサイズであれば、靴、ヘルメット、家具などの大きなオブジェクトを一度に製造できる。
日本国内で入手可能な大型3Dプリンターの例として、「GEM 550D」があり、その最大造形サイズは550×400×400mmとなっている。
詳しくみる ⇒参照元: 【2023年版】大型3dプリンターの比較・選び方〜造形方式ご...3Dプリンター:原理から活用まで
3Dプリンターはどのように立体モデルを作成しますか?
3DCADデータをもとに、2次元の層を積み重ねることで作成します。
3Dプリンターは、3DCADデータを基に、熱で溶かした樹脂や液状樹脂を積層して立体モデルを作成する装置です。
MEX(FDM)や光造形など、さまざまな方式があり、それぞれ使用可能な材料や適した用途が異なります。
押出堆積法(FDM)は耐久性と耐熱性に優れ、試作品や治具に適しています。
マテリアルジェッティングは高精細で滑らかな表面を形成し、精度が求められるパーツの造形に向いています。
バインダージェッティングは造形速度が速く、着色が容易で、デザイン確認やフィギアの作成に適しています。
詳しくみる ⇒参照元: 3dプリンターとは? 種類や効果を徹底解説3Dプリンターによる製品開発の効率化
3Dプリンターを使用することで製品開発で得られる主なメリットは何ですか?
開発期間の短縮とコストの削減
3Dプリンターは、型や治具を迅速に作成することで生産性を向上させ、库存コストとスペースを削減します。
また、最終製品を直接製造することができ、顧客の要望に迅速に対応できます。
さらに、3Dプリンターは試作時間を大幅に短縮し、コストを削減し、設計段階での検証を容易にします。
また、一部の産業用3Dプリンターでは、仮型成型や最終製品の製造も可能で、生産工程全体を短縮できます。
詳しくみる ⇒参照元: 3dプリンターとは? 種類や効果を徹底解説大型3Dプリンターの活用法
光造形方式の3Dプリンターで、大型機はどのような用途に向いている?
人体にフィットするような製品の造形
大型3Dプリンターは、一括で大きなものを造形したり、同じ形状を大量に生産したりするのに適しています。
光造形方式の3Dプリンターでは、LuxCreoの「Lux3 Li+」のように最大W400×D259×H380 mmの造形サイズを持つ大型機も登場しています。
これにより、柔軟性のあるサンダルや座り心地の良いサドルなど、人体にフィットするような製品をそのまま出力できるようになりました。
また、液体樹脂と複雑な内部構造を組み合わせることで、光造形方式ならではの造形が可能です。
ただし、光造形方式の3Dプリンターは造形後に洗浄や硬化などの後処理が必要なため、専用の洗浄機や硬化機の導入コストや配置場所の検討が重要です。
例えば、Formlabsの「Form3L」はW200×D335×H300mmの造形エリアを持ち、洗浄機や硬化機と併用することで造形品質を安定させることができます。
詳しくみる ⇒参照元: 【2023年版】大型3dプリンターの比較・選び方〜造形方式ご...3Dプリンターの用途と種類
どのような用途で3Dプリンターが利用できるのか
プロトタイプから樹脂金型まで
業務用3Dプリンターには、大型造形が可能なジェル硬化GDP方式のものもあります。
GDP方式では、粘りのあるUV硬化性樹脂をノズルから押し出し、UV光を照射しながら硬化させて高速で大型の造形モデルを作成します。
この方式を開発したMasivitの3Dプリンターは、展示会のブースや建築モデル、サイン・ディスプレイなど幅広い用途に使用されています。
また、業務用3Dプリンターは、インクジェットならではの高精細なプロトタイプから、治工具や樹脂金型まで使用できます。
詳しくみる ⇒参照元: 3Dプリンター大型の価格帯と選び方