倉敷美観地区の歴史を巡る：タイムスリップしたかのような江戸の町並み

江戸時代に綿の換金作物化により形成された倉敷の蔵の町並みは、戦火を免れたことから町並み保存の機運が高まり、戦後から倉敷市と地元市民が一体となって保存に取り組んできた。

そのきっかけとなったのは、倉敷屈指の大地主・大原孫三郎の発言だった。

孫三郎は東京での放蕩生活から地元に戻り、倉敷紡績を継承して事業を発展させた人物。

私財を投じて西洋美術品を収集し、倉敷川沿いに大原美術館を創設。

美術館には児島虎次郎がヨーロッパから買い付けたエル・グレコの名画「受胎告知」をはじめとする貴重な作品が所蔵されており、地域への貢献と若者の育成を目的としていた。

岡山県を代表する観光地、倉敷美観地区は、岡山県の年間観光客数約1440万人のトップに君臨し、地域経済の活性化に貢献しています。

倉敷市は戦後いち早く町並み保存の重要性に着目し、昭和30年代から行政と住民が一体となって保存活動に取り組んできました。

昭和43年に「倉敷市伝統美観保存条例」を制定し、昭和54年には国から「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されました。

現在では、東京ドーム約5個分もの広大なエリアで、町並みの修景や古い建物の補修など積極的な保存対策が続けられています。

地元の名士、大原孫三郎から継承された町並み保存への市民の想いが、美観地区の美しい景観を今に伝えています。

アイビースクエアはかつて倉敷紡績所の本社工場で、繊維産業の中心地として活躍していました。

現在はホテルや複合施設として改修されています。

その赤いレンガ造りの建物は蔦に覆われており、美観地区の中で際立っています。

この蔦は、工場内部の温度管理のために植えられ、建物の外壁を覆って内部の温度を調節していました。

倉敷美観地区は、江戸時代からの歴史と自然が融合したエリアで、往時の情緒を醸し出しています。

アイビースクエアや大原美術館、大原家住宅などの見どころがあり、阿智神社や倉敷市立美術館といった観光地にも近く、歴史的建造物や自然の美しさを堪能できます。

倉敷美観地区を訪れる際は、周辺を散策し、倉敷館観光案内所でパンフレットを入手して計画を立てるのがよい。

観光案内所では、英語での対応も可能。

また、周辺には有料駐車場や、大人500円から利用できる川舟流しチケット販売所もある。

美観地区には他にも見どころがあるので、散策を検討する価値がある。

倉敷美観地区には観光案内所があり、地図やパンフレットが置かれています。

大正時代の洋館で、トイレや休憩所も利用できます。

休憩所は2階にあり、エレベーターで上がることができます。

窓が広く、美観地区の景色を一望できます。

倉敷の日本遺産は、干拓から始まった繊維産業、北前船寄港地だった玉島・下津井の交易、吉備国の一部だった庄・真備地区の遺跡など、地域の豊かな歴史と文化を物語っています。

これらの構成文化財は、360度カメラでバーチャル体験でき、倉敷小町と一緒に町並みや歴史的遺産をその場で楽しむことができます。

また、江戸期の商家群と西洋建築が調和する倉敷美観地区や、大原美術館、旧大原家住宅などの文化財もバーチャルで体験できます。

倉敷美観地区にある倉敷館観光案内所は、大正6年に建てられた旧倉敷町役場の洋風木造建築を利用しています。

国登録有形文化財に指定されており、平成29年から令和2年にかけて半解体修理が行われました。

現在は無料休憩所を兼ねた観光案内所で、パンフレットやコインロッカー、給水機、授乳室などを備えています。

エレベーターと階段があり、2階では休憩できます。

倉敷美観地区の北側には本町通りという白壁の情緒豊かな通りが続いています。

通り沿いには、老舗の酒蔵やセレクトショップ、旅館、倉敷のものづくりをテーマにした複合商業施設など、個性豊かな店舗や施設が立ち並びます。

倉敷美観地区を散策する際は、ぜひ本町通りを散策してみてください。