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シェーグレン症候群の治療を怠るとどうなる?その深刻な影響とは

ライターのYUKOです。シェーグレン症候群の治療を怠るとどうなるかについて、その深刻な影響について詳しく説明します。

シェーグレン症候群:涙腺と唾液腺を破壊する自己免疫疾患

シェーグレン症候群では、どの臓器が免疫の異常によって破壊されるか?

涙腺、唾液腺

シェーグレン症候群は、免疫の異常により涙腺と唾液腺が破壊される自己免疫疾患です。

2011年の厚生労働省の調査によると、日本の患者数は約7万人と推定されており、女性に多く、平均年齢は60歳です。

涙や唾液を出す臓器以外の臓器にも影響が出ると、死亡率が一般の人と比べて1.77倍高くなる可能性があります。

肺や腎臓に異常が出ると、咳やむくみなどの症状が現れます。

詳しくみる ⇒参照元: 『医師監修・作成』シェーグレン症候群とは?病気のしくみ、関連...

シェーグレン症候群の全身症状

シェーグレン症候群の全身症状にはどのようなものがありますか?

発熱、関節痛、疲労感、記憶力低下など

シェーグレン症候群は、目の乾燥(ドライアイ)と口腔内の乾燥(ドライマウス)が主な症状の自己免疫疾患です。

全身症状としては、発熱、頭痛、疲労感、関節の痛み、記憶力低下などが多く見られます。

また、集中力の低下、めまい、気分の変調、うつ傾向などの症状が出ることもあります。

関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどの膠原病を合併することもあります。

詳しくみる ⇒参照元: 「シェーグレン症候群」を発症すると現れる症状・発症しやすい人...

シェーグレン症候群の初期症状と対処法

シェーグレン症候群の初期段階で起こる症状は何ですか?

目の渇き、口の渇き

シェーグレン症候群は、初期段階では目の渇きや口の渇きなどの軽度の乾燥症状が現れます。

ドライアイによる目の不快感や、ドライマウスによる口内の不快感や食事の摂取困難が初期症状として多く見られます。

また、唾液の減少により虫歯になりやすくなることで発見される場合もあります。

さらに、関節痛や耳下腺の腫れなどの症状も現れます。

シェーグレン症候群の症状にはうつ傾向も含まれており、ストレスや疲労感を感じやすい病気です。

乾燥症状や皮膚症状による見た目の変化から、周囲の目が気になって一人で悩んでしまう人も少なくありません。

そのような場合は、医師に相談し、ストレスを溜め込まないように適度な運動や趣味を楽しむなど、前向きに病気と向き合うことが大切です。

シェーグレン症候群は指定難病であり、情報に振り回されずに正しい知識を身に付けることが重要です。

また、患者会や学会で同じ病気で悩む人たちと交流し、悩みや情報を共有することもおすすめです。

詳しくみる ⇒参照元: 「シェーグレン症候群」を発症すると現れる症状・発症しやすい人...

シェーグレン症候群の治療法

シェーグレン症候群の主な治療法は何か?

対症療法

シェーグレン症候群の治療法は対症療法が中心で、ドライアイやドライマウスの症状を和らげることを目指しています。

ドライアイの治療には点眼液やドライアイ用メガネが、ドライマウスの治療には内服薬や口腔保湿剤が使用されます。

関節の痛みや息苦しさなどの腺外症状にはステロイドが用いられます。

完治を目指す研究も進められています。

詳しくみる ⇒参照元: 『医師監修・作成』シェーグレン症候群の治療は?難病の医療費助...

シェーグレン症候群の合併症と全身症状

シェーグレン症候群の腺外症状で、まれに悪性化する可能性がある合併症は何か?

悪性リンパ腫

シェーグレン症候群は自己免疫疾患で、ドライアイやドライマウスなどの乾燥症状だけでなく、皮膚乾燥や関節の痛みなどの全身症状も引き起こします。

特に注意が必要なのが悪性リンパ腫の合併で、リンパ節の腫れを伴う場合はリスクが高くなります。

また、中枢神経・末梢神経障害による麻痺や痺れなどの神経症状も出現する場合があります。

詳しくみる ⇒参照元: 膠原病・リウマチ内科|シェーグレン症候群|順天堂大学医学部附...

シェーグレン症候群の病因

自己免疫とはどういう現象ですか?

自分の体を攻撃する現象

シェーグレン症候群は、外分泌腺に炎症が起こり、乾燥症状が出る自己免疫疾患です。

自己免疫とは、本来は外敵から身を守る免疫系が自分自身を誤って攻撃することです。

シェーグレン症候群では、様々な自己抗体や自己反応性リンパ球が出現し、その原因は完全には解明されていません。

一次性シェーグレン症候群は他の膠原病と合併せず、腺型と腺外型に細分されます。

二次性シェーグレン症候群は他の膠原病に合併します。

一次性シェーグレン症候群は女性に多く、40~60歳代に発症しやすいです。

詳しくみる ⇒参照元: 膠原病・リウマチ内科|シェーグレン症候群|順天堂大学医学部附...

シェーグレン症候群の治療法と放置の危険性

シェーグレン症候群の放置はどのような危険をもたらす?

視力の低下や抜歯、場合によっては生命の危険も

シェーグレン症候群の治療法は、涙の分泌促進や補充、蒸発防止、排出抑制、唾液分泌促進や補充などがあります。

放置すると視力低下や虫歯、抜歯、悪性リンパ腫の合併症による生命の危険をもたらす可能性があります。

そのため、症状を緩和する治療を受けながら日常生活を送ることが重要です。

詳しくみる ⇒参照元: 「シェーグレン症候群」を発症すると現れる症状・発症しやすい人...

ミクリッツ病とシェーグレン症候群のステロイド治療効果の違い

ミクリッツ病とシェーグレン症候群の違いは、ステロイド治療の効果の違いにある

ミクリッツ病

ミクリッツ病とシェーグレン症候群はどちらも涙腺や唾液腺が攻撃され、ドライアイやドライマウスを引き起こす自己免疫疾患です。

しかし、2つの疾患にはいくつかの重要な違いがあります。

まず、血液検査で調べられる抗体が異なります。

また、ステロイド治療に対する反応も異なります。

ミクリッツ病はステロイド治療により症状が改善する傾向がありますが、シェーグレン症候群はステロイド治療に対する反応が乏しいです。

そのため、ステロイド治療が有効かどうかを調べることは、ミクリッツ病とシェーグレン症候群を区別する重要な手がかりとなります。

詳しくみる ⇒参照元: 『医師監修・作成』シェーグレン症候群とは?病気のしくみ、関連...

シェーグレン症候群の治療と検査

シェーグレン症候群の根治方法は現在ある?

ない

シェーグレン症候群は、腺病変が原因で乾燥症状を引き起こす自己免疫疾患です。

現在、この病気を根治する治療法はありません。

そのため、治療は主に乾燥症状を緩和するための対症療法が行われます。

治療法としては、ドライアイに対してはヒアレインR点眼液などの点眼薬が使用されます。

また、唾液腺の機能低下によるドライマウスに対しては、唾液分泌を促す薬が処方されることがあります。

さらに、甲状腺機能障害が併発した場合は、甲状腺ホルモン剤の投与が必要になる場合があります。

シェーグレン症候群は進行性の病気のため、定期的な検査と治療の継続が重要です。

詳しくみる ⇒参照元: 膠原病・リウマチ内科|シェーグレン症候群|順天堂大学医学部附...

シェーグレン症候群と乾燥症状の関連

シェーグレン症候群による乾燥症状はどのような腺と関係しているか?

外分泌腺

シェーグレン症候群による乾燥症状は、唾液腺、涙腺、汗腺、腟の分泌腺などの外分泌腺と密接に関係している。

これらの腺の乾燥は、バリア機能の低下につながり、虫歯、歯周病、認知症、糖尿病などの疾患のリスクを高める。

口腔内の乾燥には特に注意が必要で、口内を清潔に保つことが重要となる。

治療だけでなく、メンテナンス目的で3か月に一度の歯科受診が推奨される。

また、自宅では乾燥を誘発する環境や刺激物に注意し、石鹸の使用や熱い風呂を避けることが大切。

詳しくみる ⇒参照元: シェーグレン症候群とは。口中乾燥の放置リスクを医師が解説

シェーグレン症候群の全身病変に対する治療

全身病変が進行したシェーグレン症候群の治療には何が使われますか?

ステロイド、免疫抑制薬

シェーグレン症候群は長期的な慢性疾患であり、全身性臓器病変を引き起こす可能性があります。

進行性の全身病変には、中等量以上のステロイドや免疫抑制薬が使用されます。

関節痛や関節炎には非ステロイド性抗炎症薬や少量のステロイド、皮疹にはステロイド外用や内服が検討されます。

経過観察では、約半数の患者が症状に変化がなく、残りの半数に全身性の病変が発症する可能性があります。

まれにリンパ腫を発症する場合もあります。

シェーグレン症候群の正しい理解と心構えが重要です。

詳しくみる ⇒参照元: シェーグレン症候群(指定難病53)

漢方薬による口渇の改善

口渇に効果が期待できる漢方薬は他にどのようなものがあるか?

柴胡桂枝乾姜湯、人参養栄湯、五苓散など

口渇に効果が期待できる漢方薬として、粘膜を潤す作用のある炙甘草を含む漢方薬の他に、体内の水分不足による口渇に柴胡桂枝乾姜湯、体液を保持する効果のある人参を含む人参養栄湯や十全大補湯、体内の水分代謝異常の改善が期待できる五苓散などが使用される。

漢方薬は安全性が高いとされるが、副作用の可能性もあり、気になる症状が現れた場合は医師や薬剤師に相談することが大切である。

シェーグレン症候群は完治が難しい病気で、症状改善を目的とした対症療法が中心となる。

詳しくみる ⇒参照元: 『医師監修・作成』シェーグレン症候群の治療は?難病の医療費助...

シェーグレン症候群の予後と注意点

シェーグレン症候群の予後は一般的に良好であるとされていますか?

はい

シェーグレン症候群は一般的に予後が良好で、生命に関わる重症例は少ないとされています。

しかし、乾燥症状が進行すると治療が奏功しない場合があり、患者さんの生活の質が低下する可能性があります。

また、経過中に重症な腺外病変を発症する場合があるので、長期的な観察が必要です。

日常生活では、保湿、加湿、水分補給、保温などが重要になります。

詳しくみる ⇒参照元: 膠原病・リウマチ内科|シェーグレン症候群|順天堂大学医学部附...

シェーグレン症候群の治療とサポート

シェーグレン症候群の治療に今後期待される変化は?

新薬の登場

シェーグレン症候群の治療は現時点では長期的な有効性や安全性が不明なため、一般的な治療とはなっていません。

しかし、今後、新たな薬剤の登場により治療法が変わる可能性があります。

また、厚生労働省の「シェーグレン症候群診療ガイドライン2017年版」が定められ、一定水準以上の医療が受けられるようになっています。

さらに、シェーグレン症候群は指定難病に指定されており、医療費の助成が受けられます。

医療費助成を受けるには、一定の重症度を超える必要があり、申請には書類の準備が必要です。

詳しくみる ⇒参照元: 『医師監修・作成』シェーグレン症候群の治療は?難病の医療費助...

シェーグレン症候群の診断と治療

シェーグレン症候群の診断基準で、抗SS-A抗体か抗SS-B抗体が陽性であるという項目は、どのような場合に用いられるか?

乾燥症状が強く、血液検査で陽性の場合

シェーグレン症候群の診断基準は4項目あり、うち2項目以上が陽性であれば診断される。

通常、口唇小唾液腺の生検、唾液分泌量の低下、涙の分泌低下などの検査は煩雑なため、実際には乾燥症状が強く、血液検査で抗SS-A抗体か抗SS-B抗体が陽性の場合にシェーグレン症候群として対応される。

治療は、眼の乾燥と口の乾燥に対して点眼薬などで対処する。

詳しくみる ⇒参照元: シェーグレン症候群とは。口中乾燥の放置リスクを医師が解説