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ミイラの謎を紐解く: その作成方法、目的、世界中の事例

ライターのYUKOです。今回は、ミイラの謎についてご紹介します。ミイラの作成方法、目的、世界中の事例について詳しく説明します。

ミイラ:乾燥保存の謎

ミイラが作られる理由は?

乾燥により腐敗を遅らせるため

ミイラとは、乾燥させて腐敗を遅らせ、原形を残したまま保存された遺体のことです。

通常、遺体は腐敗して骨のみが残りますが、自然条件や人為的な乾燥によって細菌の活動が弱まり、腐敗が進まなくなります。

ミイラは水分が人体重量の50%以下になると作られやすく、乾燥した砂漠地帯で発見されることが多いです。

しかし、自然に作られるミイラは内臓の腐敗を避けるほど乾燥することは珍しく、人為的に作られることが一般的です。

かつては、ヨーロッパでミイラが万病に効く薬として重宝され、盗み出す「ミイラ取り」という職業も存在していました。

詳しくみる ⇒参照元: ミイラのマリアや少女ロザリアは本物?世界と日本の事例・作り方...

ミイラ:古代エジプトの来世への旅

古代エジプト人がミイラを作った理由は?

来世への準備

ミイラは、遺体を腐敗から守り、来世での復活に備えるために作られました。

古代エジプト人は、死後も魂が肉体に宿ると信じており、ミイラ化することで魂が肉体に戻るための場所を確保したのです。

ミイラ化のプロセスは複雑で、遺体を洗ったり、内臓を取り除いたり、香油や没薬などの物質で防腐処理したりするなど、数週間かかったとされています。

また、ミイラは単なる遺体ではなく、故人を偲ぶための芸術作品でもあり、装飾品やマスクで飾られることもありました。

ミイラは、古代エジプト人の死生観と、死者を敬う心を理解する上で重要な手がかりを提供しています。

詳しくみる ⇒参照元: ミイラはなぜ作られた?古代エジプト人の死者への想い

ミイラの謎に迫る

ミイラ化の条件となるのは何?

水分が少ないこと

ミイラとは、死体が乾燥して腐敗分解されずに長期間その原型を留めたもので、水分が抜け枯れ果てているように見えることから「枯骸」とも呼ばれます。

日本語のミイラの語源は「ミルラ」という植物性の薬で、古くからミイラの防腐剤などに使われてきました。

また、漢字の「木乃伊」は北京語で「ムーナイイー」と発音し音が近いことからミイラの当て字として使われるようになったといわれています。

本来、人間などの動物が死ぬと細菌などの働きにより腐敗が進行し、やがては分解されてしまいます。

しかし、腐敗が始まるよりも先に死体に含まれる水分が急速に失われると細菌の活動が弱まり、死体がミイラ化するのです。

また、体に含まれる水分が少ないことがミイラ化の条件のため、乾燥した地域などで脱水症状を起こして死亡した際には自然発生的に死体がミイラ化することがあります。

詳しくみる ⇒参照元: 閲覧注意!ミイラの作り方と存在の意味に迫る

自然のミイラ化:砂漠以外の環境

自然にミイラ化する環境は、砂漠の他に何がある?

湿地や氷に覆われた山頂

自然にミイラ化する環境は、砂漠の他に湿地や氷に覆われた山頂があります。

これらの環境では、遺体が腐敗するのを防ぐ乾燥した空気や極端な寒さなどの要因が組み合わさっています。

古代エジプト人は、砂漠で自然にミイラ化した人々を観察して、名誉ある死者のミイラ化の技術を開発したと考えられています。

詳しくみる ⇒参照元: 自然の働きで偶然できたミイラたち、古代の「タイムカプセル」

ミイラ展、珍しい世界のミイラが集結

「イデガール」はどのような姿で発見されたか?

小柄な少女の遺体

国立科学博物館でミイラ展が開催。

展示されるミイラには、オランダの湿地で発見された「イデガール」と呼ばれる少女の遺体も含まれる。

イデガールは三つ編みにした赤い髪、丸く広い額、首に紐が巻き付けられた姿で発見された。

最新の手法で復元された生前の顔は、小柄で愛らしい少女の姿をしていた。

詳しくみる ⇒参照元: 監修者が解説、特別展ミイラはここがすごい

ミイラ保存の秘密

マリアのミイラの保存方法で用いられた、アルコールの役割は?

ミイラ化を促進

2009年に発見されたカルテにより、ロザリアのミイラのエンバーミングには、ホルマリン、塩化亜鉛、アルコール、サリチル酸、グリセリンが用いられていたことが明らかになりました。

このうち、アルコールはミイラのミイラ化を促進し、グリセリンは適度な湿潤環境を保ち、サリチル酸は菌の繁殖を防ぐ役割を果たしました。

この結果、カラカラに乾いたミイラではなく、生前の状態のままミイラ化されたと考えられています。

また、ペルーで発見されたマリアというミイラは、ヒトの新種である可能性が示唆されています。

マリアのDNAは98.5%が霊長類と一致しましたが、残りの1.5%は不明であり、人間に限りなく近いものの、異なるDNA構造も持っていたとされています。

詳しくみる ⇒参照元: ミイラのマリアや少女ロザリアは本物?世界と日本の事例・作り方...

ミイラの形成環境

日本でミイラが作られる環境とは?

水分含有率が20%以下で、10度以下または40度以上の湿度

ミイラは偶然自然にできる場合と、防腐処理を施して作られる場合がある。

腐敗を抑制する環境としては、水分含有率が20%以下で、10度以下または40度以上の湿度が挙げられる。

また、屍蝋化や植物の樹脂によるなめしなどの科学変化もミイラ形成に寄与する。

日本のミイラも、同様の工程を経て形成される。

詳しくみる ⇒参照元: 日本のミイラってどんなもの?自らミイラになった学者のキーポイ...

古代エジプトのミイラ作り

古代エジプトのミイラ作りの特徴は?

時代によって見た目や作り方が異なる

古代エジプトのミイラ作りは時代によって、見た目や作り方が異なり、遺体は獣皮に巻かれたり、石膏プラスターで固められたり、包帯が巻かれたりと多様だった。

また、内臓が取り除かれたり、取り除かれなかったり、埋葬方法も屈葬、横向き、仰向けなどさまざまであった。

詳しくみる ⇒参照元: 第16回 ミイラの発掘 クフ王のミイラを想像する

エジプトのミイラが語る豊かな死生観

埋葬されていたのは王族のみではないのか?

裕福な暮らしをしていた王族ではない者もミイラとして丁寧に埋葬されており、女性や幼い子どもも含まれていた。

女性のミイラには青く美しいビーズ網、子どものミイラの覆い布には翼を広げる女神の装飾が施されていた。

これは家族の嘆きや死後の幸せな復活への祈りを表していると考えられる。

また、歯周病の痕跡が見つかった男性のミイラから、食べることに困難を抱えていたことが推測でき、ミイラ職人は亡くなった人を大切に思う装飾を施していたことが分かる。

詳しくみる ⇒参照元: ミイラ6体のCTスキャン解析画像や病名診断に驚いた

古代エジプト人の素顔

古代エジプト人について、何が分かったの?

庶民と貴族の共通点

最新のCTスキャン技術により、大英博物館で展示された6体のミイラが3次元映像で復元され、古代エジプト人の姿が明らかになった。

それによると、エジプトの貴族も庶民と同様に、病気や苦しみに悩まされ、家族や仲間を大切にしていた。

また、酒や音楽に安らぎを求め、神に祈りを捧げていたことが判明した。

この発見により、古代エジプト人が現代人と近い心情を持っていたことが明らかになり、私たちと彼らの間に深い共感が生まれた。

詳しくみる ⇒参照元: ミイラ6体のCTスキャン解析画像や病名診断に驚いた

ミイラの作成と装飾

末期王朝時代のミイラ作りの際、丸みのある体形にするために体内に詰められたのは?

詰め物

エジプトのミイラ作りでは、末期王朝時代に技術のピークを迎え、皮膚切開により丸みのある体形に整えられた。

皮下に詰め物を行い、義眼をはめ、化粧を施した。

さらに、装飾品や呪具を身に着け、布巻きと樹脂塗布で仕上げた。

このミイラ作成には、「口開き」の儀式が伴い、死者のあの世での蘇生が信じられていた。

また、ミイラは箱型棺や人型棺に収められ、棺には精巧な装飾が施された。

プトレマイオス朝時代には、ミイラ作りが粗雑になり、木棺に死者の肖像画が描かれた。

こうした肖像画は、文化的に肖像画のはしりとなったが、死者にマスクをかぶせる伝統は古王国時代からあった。

詳しくみる ⇒参照元: ミイラ(みいら)とは? 意味や使い方