劇症型溶血性レンサ球菌感染症の増加と日本の対応
公開日: 2024-04-07
最終編集: 2024-04-07
ライターのYUKOです。劇症型溶血性レンサ球菌感染症の増加と日本の対応について説明します。
国内における劇症型溶血性レンサ球菌感染症の増加
最近、日本国内で報告されている感染症を1つ教えてください
劇症型溶血性レンサ球菌感染症
日本国内では、劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)が近年増加しています。
STSSは、感染症法に基づく5類全数把握疾患で、ショック症状や肝不全、腎不全などの重篤な症状を伴う、致死率の高い感染症です。
STSSの病原菌はA群溶血性レンサ球菌(GAS)が一般的ですが、B群、C群、G群などのレンサ球菌でも引き起こされます。
日本国内では、GASによるSTSS症例とGAS咽頭炎症例が増加しており、特に2010年代に英国で流行した病原性と伝播性が高いS. pyogenes M1UK lineage(UK系統株)が2023年夏以降に確認されています。
詳しくみる ⇒参照元: 国内における劇症型溶血性レンサ球菌感染症の増加について2024年第11週までの劇症型溶血性レンサ球菌感染症発生動向
2024年第11週までに届出された劇症型溶血性レンサ球菌感染症で最も多い血清群はどれ?
A群
2024年第1週から第11週までに届出された劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)症例521例のうち、335例がA群溶血性レンサ球菌(GAS)によるもので、A群による届出が最も多かった。
これは過去6年間(2018年~2023年)のSTSS届出数全体に占めるA群による届出数の割合(30%~50%程度)を上回る64%を占めている。
また、GASによるSTSS症例は、2023年全体で409例届出があったが、2024年は第1週から第11週だけで335例の届出があり、過去6年の各年第1週から第11週の平均届出数(77.5例)を大幅に上回っている。
このうち、届出時死亡例は77例で、50歳未満の届出数に占める届出時の死亡数の割合は13.8%となっている。
詳しくみる ⇒参照元: 国内における劇症型溶血性レンサ球菌感染症の増加について