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てんかん発作時の適切な対応:発作の種類と対処法を徹底解説

ライターのYUKOです。今回は、てんかん発作時の適切な対応について解説します。

てんかんとは?症状や治療方法を徹底解説

てんかん発作とは何か?

脳の異常な電気的興奮

てんかんは、脳の神経細胞の異常な電気的興奮により突然意識を失うなどの「てんかん発作」を繰り返す疾患です。

発作は、異常な興奮が起こる脳の部位によって「部分発作」と「全般発作」に分けられます。

また、意識障害の有無や症状によってさらに細かく分類されます。

てんかんは乳幼児から高齢者までどの年齢層でも発症する可能性がありますが、特に小児と高齢者での発症が多いです。

原因は様々で、脳の損傷、脳の奇形、代謝異常、感染症、頭部のけがなどが挙げられます。

詳しくみる ⇒参照元: てんかんとは?症状や発作の原因、対処法や治療方法を解説します

てんかんの仕組み

脳の神経細胞に突然起こる異常な出来事とは?

激しい電気的な興奮

てんかんは、脳の神経細胞に突然発生する激しい電気的な興奮によって発作を繰り返す脳の慢性疾患です。

発作の症状は患者ごとにほぼ一定で、同じ発作が繰り返し起こります。

乳幼児期から老年期までに幅広くみられ、人口100人のうち0.5~1人(0.5~1%)が発症します。

発病年齢は3歳以下が最も多く、成人になると減りますが、60歳を超えた高齢者になると脳血管障害などを原因とする発病が増加します。

小児てんかんの患者さんの一部は成人になる前に治ることもありますが、ほとんどは治療を継続することが多いです。

詳しくみる ⇒参照元: てんかんについて

てんかんの治療法と対策

難治性てんかんの場合、発作の抑制に抗てんかん薬が有効でないことがあるが、どのような治療法が選択肢として挙げられるか

食事療法(ケトン食療法)やてんかん外科手術

若年性ミオクロニーてんかんは抗てんかん薬で発作を抑制できるが、薬の服用をやめると再発しやすい。

抗てんかん薬で発作を抑制できない難治性てんかんでは、食事療法やてんかん外科手術を併用して治療を行う。

また、難治性てんかんで特定の疾患が原因の場合や、重度の障害がある場合は、医療費助成が受けられる。

てんかん発作は特定の刺激や出来事がきっかけで起こることがあり、睡眠不足や入浴も発作を誘発する因子となるため注意が必要である。

詳しくみる ⇒参照元: 小児てんかんの発作が出た時の正しい対応|原因や種類、緊急性の...

てんかん発作の適切な対応方法

てんかん発作に遭遇したら、まずは何をすべき?

落ち着いて助けを求める

てんかん発作は数分以内に自然に止まり、後遺症や生命の危険は稀。

対応は、落ち着いて周りに助けを求め、身の安全を確保し、発作の様子を観察・記録すること。

発作を止めようと体を押さえたり、ゆすったりしても効果はなく、複数人で対応すると安心。

特別な処置は多くの場合不要。

詳しくみる ⇒参照元: てんかん発作時の介助はどうしたらいい?

てんかん発作の適切な対処法

てんかん発作の救急車を呼ぶべき条件は?

発作が5分以上続いた場合

てんかん発作は、発作の種類や状況によって対処法が異なります。

初めて発作を起こしたときや、5分以上続く場合は、救急車を呼ぶ必要があります。

意識が回復しない場合や、連続して発作が続く場合は、すぐに医療機関を受診してください。

学校で発作が起きた場合は、落ち着いて周囲の安全を確保することが重要です。

発作は通常、短時間でおさまりますので、パニックにならずに適切な対処をしましょう。

詳しくみる ⇒参照元: 【医師監修】てんかん発作の対処、どうすればいい? 学校での子...

てんかん発作時の対応方法

意識を失っているときに、誤って吐いたものを吸い込まないようにするためにはどうすればいい?

横向きにする

てんかん発作時には、首元の詰まった服を緩め、横向きにすることで気道を広げて息苦しさを改善できます。

口に異物を入れて口をこじ開けるのは危険です。

発作が5分以上持続したり、首元の緩和や顔色の悪化がみられた場合は、すぐに救急車を呼びましょう。

小児てんかんの検査には血液検査、心電図、頭部画像検査、脳波検査などがあります。

てんかん発作のタイプによって完治するかどうかは異なり、抗てんかん薬が効くものもあります。

詳しくみる ⇒参照元: 小児てんかんの発作が出た時の正しい対応|原因や種類、緊急性の...

てんかん発作のタイプ

複雑部分発作の症状にはどのようなものがありますか?

意識障害

てんかん発作には、部分発作と全般発作の2種類があります。

部分発作には、意識がはっきりしている単純部分発作と、意識が遠のく複雑部分発作があります。

複雑部分発作では、側頭葉から興奮がおこると衣服をまさぐったり、口をもぐもぐしたり、ウロウロ歩いたりする症状が現れます。

前頭葉から興奮がおこると、身体をバタバタさせたり、自転車をこぐような動きをしたりします。

詳しくみる ⇒参照元: てんかんとは?症状や発作の原因、対処法や治療方法を解説します

てんかん発作との鑑別が重要な類似疾患

てんかん発作に似た発作の症状を伴う可能性のある病気の中で、最も多く見られるタイプは?

チアノーゼ型憤怒けいれん

てんかん発作と間違えられやすい病気には、熱性けいれん、憤怒けいれん、失神、心因発作、チックなどがあります。

熱性けいれんは発熱時にしか起こらないため、てんかんとは区別できます。

憤怒けいれんは、チアノーゼ型と蒼白型があり、チアノーゼ型が最も一般的です。

チアノーゼ型憤怒けいれんは、怒りや痛みで激しく泣いた時に発作が起こり、息を吐き出した状態で呼吸が止まり、酸素不足でチアノーゼ状態になります。

失神は、脳への血流が減少することで起こる意識消失で、てんかん発作とは異なる症状が出ます。

心因発作は、精神的な問題が原因でてんかん発作のような発作が起こりますが、てんかん発作とは異なり、毎回同じ症状が出るとは限りません。

チックは、まばたきや肩をすくめるなどの行動が繰り返し不随意に現れる疾患です。

詳しくみる ⇒参照元: てんかんとは?症状や発作の原因、対処法や治療方法を解説します

てんかんの基礎知識と対処法

難治性てんかんの患者数は全体の何割ですか?

2割

てんかんは100人に1人が持つ病気で、全国に約100万人の患者がいます。

適切な治療により70~80%の患者が発作をコントロールできますが、残りの20%は難治性てんかんです。

難治性てんかんは薬物療法でも発作をコントロールできない状態です。

てんかんのほとんどは遺伝しませんが、一部の良性てんかんは遺伝することがあります。

突然のてんかん発作に遭遇した際は、呼吸と脈を確認し、衣服を緩めて気道を確保します。

吐物による窒息を防ぐため横向きに寝かせます。

発作の様子を記録しておくと診断に役立ちます。

詳しくみる ⇒参照元: 痙攣、失神…てんかんの発作時に慌てずに対処する方法【医師が解...

てんかん発作のメカニズム

脳の発作はなぜ起こる?

電気的乱れ

脳には、右半球が左半身、左半球が右半身を調整する神経が通っています。

脳の各部位がそれぞれ役割を持っており、発作の症状は、乱れや興奮が起きる部位によって異なります。

てんかん患者は発作が起きる部位が決まっており、毎回同じ症状が現れます。

脳の神経は興奮と抑制がバランスよく働いていますが、発作時には興奮が強まったり抑制が弱まったりして、脳内に激しい電気的乱れ(過剰興奮)が生じます。

詳しくみる ⇒参照元: てんかんについて

発作の記録方法

発作の症状の記録に推奨される方法は何ですか?

動画撮影

発作の症状を記録するには、以下の点に注意しましょう。

顔だけではなく全身が映るように動画を撮影する。

発作の経過をありのままに記録する。

発作の始まりから終わりまでの時間を記録する。

発作を起こした状況や時間帯を記録する。

発作後の朦朧とした状態も観察し、記録する。

水分補給は避ける。

緊急の場合は、5分以上続く全身性けいれん、意識が戻らない場合、全身性けいれんを繰り返す場合に緊急処置が必要となる。

詳しくみる ⇒参照元: てんかん発作時の介助はどうしたらいい?

てんかん発作の種類と特徴

強直間代発作と似た発作で、診断が難しいものは?

脳波測定

てんかん発作には様々な種類があり、二次性全般化発作の一つである強直間代発作では、強直発作と間代発作が突然起こります。

強直発作では意識を失い、全身が硬直します。

間代発作では手足をガクガクと動かします。

てんかん重積状態は、発作が一定時間以上続いたり、繰り返し起こって意識がない状態が続く危険な状態です。

欠神発作では意識が数十秒間なくなりますが、けいれんや倒れません。

脱力発作では筋肉の緊張が低下し、崩れるように倒れます。

ミオクロニー発作では、全身または一部の筋肉が一瞬収縮します。

強直間代発作と似た発作との見分けには脳波測定が役立ちます。

詳しくみる ⇒参照元: てんかんについて

てんかん発作の適切な対応

てんかん発作を自然に止められる時間は?

1~2分

てんかん発作は通常1~2分以内に自然に止まります。

5分以上続く発作は重積状態の可能性があり、脳に障害が残るリスクが高くなるため、救急車を呼ぶ必要があります。

発作中は無理に力を加える、口に物を入れる、何回も呼びかけるなどの行為は避け、支えてあげるだけで十分です。

詳しくみる ⇒参照元: 『医師監修・作成』てんかん(癲癇)の人や家族が知っておきたい...

てんかん発作を予防する対策

子どものてんかん発作を予防するためにはどうすれば良いですか?

十分な睡眠と、刺激を避けること

てんかん発作を誘発する可能性があるため、十分な睡眠(成人6~8時間、子ども8~10時間)を確保することが重要です。

また、テレビやゲームなどの光刺激が強いものは、発作のリスクを高める可能性があるので、距離を置いて明るい部屋で見るようにしましょう。

入浴時は、溺水などの重大事故を避けるために、家族と一緒に入浴したり、鍵をかけないようにするなどの対策が必要です。

運動は発作のリスクを下げる効果がある場合がありますが、登山やスキー、水泳などの生命の危険がある活動は注意が必要です。

子どもの学校活動については、発作の症状や対処法を事前に学校側に伝えておくことが大切です。

詳しくみる ⇒参照元: てんかんとは?症状や発作の原因、対処法や治療方法を解説します

てんかんの治療と啓発活動

抗てんかん薬の目的は?

発作を抑制

てんかんの治療には抗てんかん薬が用いられ、発作を抑制することが目的です。

発作の種類や個人の状況に合わせて、さまざまな種類の抗てんかん薬が選択されます。

大部分の患者は抗てんかん薬によって発作が抑制され、一部では数年後に薬の服用を中止することもできます。

抗てんかん薬の効果が不十分な場合は、脳外科手術や食事療法、迷走神経刺激術などの他の治療法が検討されます。

また、てんかんに関する正しい理解を促進するために、各種団体が啓発活動を行っています。

詳しくみる ⇒参照元: てんかん対策|厚生労働省