三鷹事件の真相解明へ: 無人電車暴走の謎に迫る

三鷹事件は、1949年に国鉄三鷹駅で発生した電車暴走事故で、6人が死亡、20人が負傷した。

国鉄労働組合の組合員10人が電車転覆致死罪で逮捕・起訴されたが、1審は無期懲役、2審は死刑、最高裁は上告を棄却して刑が確定した。

弁護団は、単独犯行だったかどうか疑問を呈している。

三鷹事件の発生背景には朝鮮戦争を前にした東西冷戦があり、共産党への圧力が高まっていた。

検察側は共産党員の共同犯行を主張したが、無理な筋書きで維持できなかった。

竹内元死刑囚は単独犯行を供述し、検察側は党員との関与を否定する材料として利用。

共産党側は党員が関与していないことを証明する材料として利用。

竹内元死刑囚は党員ではなかったため、他の被告に比べて十分な弁護を受けられなかったと考えられている。

再審請求の動きがなかったのは、信頼していた弁護士が上告審中に亡くなり、その後熱心に取り組む弁護士が現れなかったため。

衝突時の変形から、パンタグラフは衝突前に上がっていたと主張。

また、後ろの前照灯を付けるには運転席に行かなければならず、確定判決の「停止させた時に前照灯をつけたまま、パンタグラフを下げた」という内容と矛盾する。

目撃証言についても、事件当時は月が出ておらず、目撃者の証言が不自然であることが指摘された。

さらに、心理学の実験で当時の状況での認識が困難だったことも示された。

三鷹事件の再審請求が東京高裁で棄却され、無実を主張する竹内景助さんの長男・健一郎さんの無念さが報じられています。

再審請求は7年間にわたる高見澤昭治弁護士の尽力や、新証拠の提出にもかかわらず退けられ、再審をめぐるハードルの高さが指摘されています。

事件発生から70年間、竹内さんの無実を訴えてきた健一郎さんや支援者の落胆が伝えられています。

再審請求が棄却されたことにより、再審の流れを前に進めるための法的整備の必要性も訴えられています。

三鷹事件は、1949年に起きた謀略事件の一つである。

共産党の躍進を阻止するため、権力側が共産党を犯人に仕立て上げ、マスコミが煽った。

この事件は、人間が群れを作ると、同調圧力が強まり、外部の敵や内部の異物を攻撃する危険性を示している。

映画監督・作家の森達也氏は、この事件が現在のオウム真理教事件以降の流れと共通していると指摘している。

この事件は単なる再審の問題ではなく、同調圧力の危険性など、現代社会の課題を学ぶべき事件となっている。