映画『BLUE GIANT』：雪祈の葛藤と成長 - 事故からの復活、作曲家転向まで

山田裕貴は、2018年に原作を読んだ際に深く感銘を受け、映画化の話を聞いた際には「考えてたコトだった」と興奮した。

宮本大を演じるにあたり、音のない音楽漫画に自分の声を吹き込むことにプレッシャーを感じたが、他のキャストとジャズを奏でているかのように自然と心が込められた。

山田は、劇場でキャストやスタッフが込めた音が奏でる「青い炎」をぜひ感じてほしいと呼びかけている。

ジャズライブハウス「SoBlue」の支配人・平から「つまらない」と酷評された雪祈は、この厳しい批判を真摯に受け止め、自身の成長の糧とした。

平の評価は、雪祈のピアノ演奏が自分自身を全力でさらけ出せていないことを指摘していた。

この批評を受けた雪祈は、「あの人、いい人だな」と心の中でつぶやき、成長の可能性を感じさせる強い精神力を示した。

雪祈は「JASS」のピアニストとして頭角を現し、「SoBlue」での出演権利を獲得した。

しかし、本番を控え、道路整備のアルバイト中にトラックにはねられ、右腕を骨折してしまう。

この怪我はピアニスト生命に関わる重傷だった。

雪祈は「SoBlue」でのライブを諦めざるを得なくなり、その後の音楽活動に大きな影響を与えることになる。

大とバンドを組んだ沢辺雪祈は、才能に裏付けされた傲慢さと危うさを持つ魅力的なキャラクターです。

怪我のためライブに出演できなくなった雪祈は、大の成長を阻むことを懸念し、バンドの解散を持ちかけました。

それを受けた大は、玉田の激励を受け、単身ヨーロッパへと旅立ちました。

この展開は、読者にとっても受け入れがたいものでした。

「BLUE GIANT」第9巻で雪祈が事故に遭う直前に「作曲が好きだ」と自覚し、アメリカの音大に入学したことが描かれています。

その後、本誌ではボストンのバークリー大学で作曲を学ぶ雪祈の姿が描かれています。

さらに、雪祈がピアニストとして復活する可能性も示唆されており、その根拠として、雪祈の初登場シーンで左手だけの演奏で観客を沸かせたことが挙げられています。

映画「BLUEGIANT」は、サックスで世界一を目指す宮本大が仙台から上京し、凄腕ピアニストの沢辺雪祈や高校の同級生である玉田俊二と出会い、ジャズトリオ「JASS」を結成するまでの物語です。

予告編では、大が上京して雪祈に出会い、玉田がドラムへの情熱に目覚める様子が描かれています。

上原ひろみ、馬場智章、石若駿による演奏が迫力ある映像を盛り上げています。

間宮祥太朗は映画「BLUE GIANT」で沢辺雪祈の声優を務めています。

間宮は当初、俳優が声優として吹き込むことに難色を示していましたが、製作陣の意図と山田裕貴が宮本大を演じることを知り、オファーを受けました。

間宮は、ジャズに生きる若者たちの熱が人に伝わるエネルギーに圧倒される映画になると期待を寄せています。

監督の丁寧な演出を受け、わからないことも多く正解もわからぬままでしたが、コンテや仮の映像からアングルや映像の力強さを実感しています。

演奏シーンは圧巻になると考えており、映画を楽しみにしているそうです。

山田裕貴氏は、原作漫画の「BLUEGIANT」を深く読み込み、キャラクターである宮本大の音やリズムを重視して台詞を演じました。

大の感情や心情を表現するために、1音1音に注意を払い、他のキャストとのジャズセッションのような感覚で臨みました。

大の魂を表現するために、山田氏の心からの音が込められています。

雪祈はジャズの世界の厳しさを理解しながらも挑戦し続ける性格だが、思ったことを包み隠さず発言するため、上から目線の皮肉屋として映ることが多い。

しかし、その本質は皮肉屋とはかけ離れており、読者は雪祈のことを正しく理解していなかったことに気づく。

映画『ピアノマン〜BLUEGIANT雪祈の物語〜』では、天才ピアニスト・沢辺雪祈の幼少期から、ジャズへの目覚め、青春時代が描かれます。

この作品の魅力は、BLUEGIANTの物語と演奏がすべて、雪祈の視点で語られている点にあります。

雪祈の知られざる一面はもちろん、彼が10代で「ソーブルー」の舞台に立つことを熱望していた理由も明かされ、彼の内面世界をより深く理解することができます。

この雪祈の目線という独自の描写が、本作をより感動的な作品にしています。