五代目工藤会:暴力団組織の実態と市民襲撃事件 - 福岡の闇に迫る
ライターのYUKOです。今回は、福岡の闇に迫る、五代目工藤会の暴力団組織の実態と市民襲撃事件について解説します。
五代目工藤會の組織構造
五代目工藤會で最高位にあるのは誰?
野村悟
五代目工藤會の組織図は、勾留中の総裁野村悟を中心に構成されています。
会長の田上文雄と理事長相談役の菊池啓吾も勾留中であり、執行部理事長には六代目田中組組長の後藤靖が就任しています。
その他、幹部として舎弟頭の長谷川泰三、総本部長で池田組組長の池田和生、幹事長の高橋義博、事務局長の田中十四春、最高顧問の林武男などが名を連ねています。
なお、理事長補佐の山中政吉、緒方哲徳、玉田圭司は服役中です。
詳しくみる ⇒参照元: 工藤會五代目工藤会トップ控訴審判決
野村被告が、元漁協組合長射殺事件で無罪となったのはなぜか?
証拠不十分
福岡高裁での五代目工藤会トップ野村悟被告の控訴審判決で、野村被告は1審死刑判決から無期懲役へ減刑され、1審で無期懲役だった田上不美夫被告は控訴棄却となった。
この判決で、野村被告は1998年の元漁協組合長射殺事件については無罪となった。
高裁は、1審判決の共謀認定方法が論理的ではなく、経験則に照らしても認められないと判断した。
一方で、他の3つの事件については共謀を認め、野村被告に無期懲役を言い渡した。
詳しくみる ⇒参照元: 工藤会トップの野村悟被告への死刑を破棄、無期懲役判決…福岡高...菊地被告の凶悪事件
組員に暴力を指示した菊地被告は、どのような事件に関与していたのか?
市民襲撃事件
元警部の銃撃事件を含む3件の市民襲撃事件と、暴力団排除標章を掲げた飲食店経営者の女性への刃物による襲撃事件に、菊地被告は関与していた。
検察側は、これらの事件を「6件の凶悪重大事件」と位置づけ、菊地被告に無期懲役を求刑している。
詳しくみる ⇒参照元: 工藤会上位3人が'無期懲役'以上の判決に 「会長のコピー」菊...暴力団襲撃事件:菊地被告に無期懲役判決
野村、田上、菊地の各被告がどういった組織的な関わりを持っていたのか?
野村が指示し、田上を経由して菊地に伝わっていた
福岡地裁は、暴力団排除を標榜する飲食店経営者襲撃事件3件について、菊地被告の無罪主張を退け、検察側の求刑通り無期懲役を言い渡した。
裁判長は、菊地被告からの指示が存在したとして、暴力団組員の襲撃は菊地被告の意向によるものと認定した。
また、元警部ら襲撃事件でも、菊地被告の上級組織である野村と田上を経由して指示が伝わっていたと推測された。
これにより、菊地被告が暴力団組織の指揮命令系統の下にあり、襲撃事件に関与していたことが明らかになった。
詳しくみる ⇒参照元: 工藤会上位3人が'無期懲役'以上の判決に 「会長のコピー」菊...事件の首謀者
元工藤会系組員が首謀者とされるのはどの事件か
同射殺事件
福岡県警の元警部銃撃事件、看護師刺傷事件、元漁協組合長の孫の歯科医師刺傷事件では、田上被告が首謀者であると弁護側は主張している。
しかし、同射殺事件の首謀者については、元工藤会系組員の男(77)が首謀者であるとされている。
この人物は現在無期懲役で服役中。
詳しくみる ⇒参照元: 工藤会トップの野村悟被告への死刑を破棄、無期懲役判決…福岡高...工藤会の意思決定構造
工藤会の意思決定権は最終的に誰に委ねられていた?
野村被告
工藤会は厳格な序列が定められた暴力団組織で、最上位は野村被告。
重要な意思決定は野村被告と田上被告が相談の上で行っていたが、最終的な決定権は野村被告に委ねられていた。
詳しくみる ⇒参照元: 特定危険指定暴力団「工藤会」とは? 市民が狙われた事件、組織...工藤會の勢力変化
九州最大の暴力団だった工藤會が、勢力に変化が見られたのはいつから?
1992年
2023年12月に工藤會の組員数は240人と激減し、道仁会の280人を下回りました。
福岡県警が統計を取り始めた1992年以降、工藤會が他の団体を下回るのは初めてのことです。
工藤會の本部は北九州市小倉北区宇佐町1-8-8、旧本部は三郎丸3-11-6、神岳1-1-12にあり、本家は戸畑区菅原1-2-23、総裁は小倉北区熊谷4-19-15、三代目本家は須賀町15-17、三代目旧本家は八幡西区船越1-1-20にあります。
詳しくみる ⇒参照元: 工藤會工藤會の勢力衰退
特定危険指定暴力団である工藤會の本部はどの県にあるか
福岡県
工藤會は福岡県北九州市に本部を置く特定危険指定暴力団である。
2008年には全国最多の組員数を誇ったが、警察の対策強化により組員数は大幅に減少している。
現在、組員の約半数が刑務所や療養中で、準構成員も大きく減少し、工藤會の勢力は弱まっている。
詳しくみる ⇒参照元: 工藤會「工藤会」ナンバー3に無期懲役判決
「工藤会」ナンバー3の菊地被告がどのような人物だったのか
「会長のコピー」と呼ばれていた
福岡地裁で「工藤会」ナンバー3の菊地被告に無期懲役の判決が言い渡された。
菊地被告は、工藤会トップの野村悟被告に次ぐナンバー3で、その忠実さから「会長のコピー」と呼ばれていた。
菊地被告は、市民を襲撃した凶悪事件に関与しており、2014年から始まった「工藤会頂上作戦」の一環として逮捕・起訴されていた。
ナンバー1の野村被告とナンバー2の田上不美夫被告は、すでにそれぞれ死刑と無期懲役などの判決を受けており、控訴中である。
詳しくみる ⇒参照元: 工藤会上位3人が'無期懲役'以上の判決に 「会長のコピー」菊...工藤會総裁の死刑判決と組織の壊滅
工藤會の壊滅に繋がった出来事は?
特定危険指定暴力団の指定
五代目工藤會の野村悟総裁と田上不美夫会長は死刑と無期懲役の判決を受け、野村総裁は判決に衝撃を受けたとされる。
工藤會は全国で唯一、特定危険指定暴力団に指定されており、その結果、主要幹部の検挙により襲撃事件は皆無となり、事業者への襲撃事件も激減している。
野村総裁の死刑判決は予想外だったが、特定危険指定暴力団の指定が工藤會の壊滅に繋がった。
詳しくみる ⇒参照元: 五代目工藤會・野村悟総裁、予想外の死刑判決