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中高年ひきこもりの増加、その原因と課題は?斎藤環教授が語る、ひきこもり対策とは!?

中高年ひきこもりの増加、その原因と課題は?斎藤環教授が語る、ひきこもり対策とは!?
📘 この記事で分かる事!

💡 中高年ひきこもりは増加傾向にあり、社会問題として深刻化しています。

💡 ひきこもりの原因には、社会構造の変化や個人の精神的な問題など、様々な要因が考えられます。

💡 ひきこもり対策には、本人への支援だけでなく、家族や社会全体の理解と協力が必要です。

それでは、最初のテーマ、中高年ひきこもりの現状と課題についてお話しましょう。

中高年ひきこもりの現状と課題

近年、発達障害と診断される人が増加しているという現状は、私たちに多くの課題を突き付けていますね。

斎藤環】なぜ、発達障害が「バブル化」しているのか?

公開日:2023/03/13

斎藤環】なぜ、発達障害が「バブル化」しているのか?

✅ 近年、発達障害と診断される人が急増し、「発達障害バブル」と呼ばれる状況になっている。その背景には、2012年の文部科学省による調査で、全国の小中学校における発達障害の可能性がある児童の比率が6.5%という衝撃的な結果が出たことが挙げられる。しかし、この数字の信憑性については疑問視されており、診断基準の曖昧さや社会的な「発達障害」への関心の高まりが、診断の増加に繋がっている可能性も指摘されている。

✅ 記事では、発達障害の診断基準が曖昧なため、本来は発達障害ではないのに診断されてしまうケースや、周囲の期待に応えられないなどの理由で発達障害と診断されるケースが増加していることを懸念している。また、社会全体で「発達障害」という言葉が過剰に注目され、その言葉に過度に頼ってしまう傾向も指摘されている。

✅ 記事では、発達障害の診断基準の見直しや、正しい知識の普及、そして「発達障害」という言葉に頼り切るのではなく、個々の特性を理解し尊重する社会の構築の必要性を訴えている。また、多様性を受け入れ、一人ひとりの個性や才能を活かせる社会を目指していくべきだと主張している。

さらに読む ⇒NewsPicks | 経済を、もっとおもしろく。NewsPicks | 経済を、もっとおもしろく。出典/画像元: https://newspicks.com/news/7658038/body/

発達障害という言葉が安易に使われている現状は、少し怖いと感じますね。

斎藤環教授は、政府の推計よりも実際には多くの人がひきこもり状態にあると推測しています。その理由は、国勢調査ではひきこもりの実態を把握しづらいこと、女性は「家事手伝い」や「専業主婦」といった役割でひきこもりが認識されにくいことなどが挙げられます。近年では、就労経験のある人々のひきこもり状態が増加しているという問題点も指摘されています。斎藤教授は、再就職で否定的な経験を積み重ねることで、自信を失い、ひきこもり状態に陥るケースが多いと考えています。また、発達障害というレッテル貼りが過剰に行われている状況も問題視されています。発達障害の診断は重要ですが、安易な決めつけは、協調性や個性に対する社会の偏見を助長し、職場への居づらさを生み出す要因となると指摘しています。ひきこもり状態にある人々は、セーフティーネットを利用しようという気力さえ失っていることが大きな課題です。支援の際には、本人のニーズを理解し、無理強いすることなく、寄り添う姿勢が重要となります。要約すると、中高年のひきこもりは、社会の構造的な問題や個人を取り巻く環境、そして支援体制の課題など、様々な要因が複雑に絡み合っていることが分かります。解決のためには、個別の状況に応じた適切な支援と、社会全体の意識改革が不可欠です。

うっわ、わかる。発達障害って言葉、なんか乱用されてる気がするっちゃね。

斎藤環教授による「ひきこもり対策」会見

斎藤環教授は、ひきこもりの問題を深く研究されている方ですね。

1000万人時代に向かうひきこもりとその対策:斎藤環氏

公開日:2022/07/12

1000万人時代に向かうひきこもりとその対策:斎藤環氏

✅ 斎藤氏は、ひきこもりの増加は高齢化と非正規雇用の増加による社会構造の変化が原因であるとし、社会的な孤立や価値観のゆがみによる影響が大きいと指摘しています。

✅ 斎藤氏は、ひきこもりの多くが、いじめやハラスメントなどの経験から社会への不信感を抱き、ひきこもり状態に陥っていると説明しています。また、ひきこもりは家族との関係にも悪影響を与え、家族も社会との接点を失ってしまうケースが多いと指摘しています。

✅ 斎藤氏は、ひきこもりは世界的な問題であり、特に家族主義が強い国で深刻化していることを指摘しています。また、日本のひきこもり対策は、障害者への隔離や排除といった発想に根ざしており、根本的な解決策にはなっていないと警鐘を鳴らしています。

さらに読む ⇒nippon.comnippon.com出典/画像元: https://www.nippon.com/ja/japan-topics/c05008/

ひきこもりの原因は、社会構造の変化や個人の価値観、そして家族との関係など、複雑な要因が絡み合っているんですね。

斎藤氏は、外国メディア向けに「ひきこもり対策」に関する会見を行い、ひきこもりの定義、現状、原因、対策について説明しました。斎藤氏は、ひきこもりの定義を「6カ月以上社会参加をせず、精神障害を第一の原因としない」と説明し、ひきこもりと犯罪の関連性は低いと強調しました。ひきこもりの原因として、いじめやハラスメント、虐待などを挙げ、ひきこもりが長期化すると「ひきこもりシステム」と呼ばれる悪循環に陥り、社会参加が難しくなることを指摘しました。また、家庭内暴力に関しては、ひきこもっている人全体の1割に見られると説明し、家族への恨みつらみが暴力に発展しやすい現状を懸念しました。対策として、家庭内暴力に対しては断固として拒否し、事前に通報や避難を予告することを推奨しました。さらに、ひきこもりの問題は日本だけの問題ではなく、韓国やイタリアなど、家族主義が強い国で問題化していることを指摘しました。米国や英国など個人主義が強い国では、ひきこもりの問題は比較的小規模ですが、ヤングホームレスの数が多いという現状も示されました。斎藤氏は、日本社会における障害者に対する排除意識を批判し、脱施設化の遅れを指摘しました。会見では、ひきこもりの現状や原因、対策について具体的な説明がなされ、日本の社会構造や文化がひきこもり問題に深く関わっていることが示されました。

若いもんは、みんな、あんたみたいに、スマホばっかり見てて、外に出ないからよ。

中高年ひきこもりの増加と課題

ひきこもり死という深刻な問題があるんですね。

NHKスペシャル ルポ 中高年ひきこもり 親亡き後の現実』
NHKスペシャル ルポ 中高年ひきこもり 親亡き後の現実』

✅ 本書は、NHKスペシャル取材班が長年「ひきこもり」をテーマに取材してきた経験を基に、全国で広がる「ひきこもり死」の実態を調査・取材したルポルタージュです。特に、親亡き後に助けを求めることなく、孤独死するケースが増加している現状に焦点を当てています。

✅ 本書では、50代のひきこもり男性の死を例に、支援を拒否したまま孤独死に至るケースや、遺体放置事件など、具体的な事例を紹介しています。また、全国の「ひきこもり相談窓口」へのアンケート調査結果や、支援員の経験談などを交えながら、「ひきこもり死」の深刻な現状と、支援の難しさについて考察しています。

✅ 著者は、ひきこもり状態は個人の責任ではなく、社会全体で取り組むべき課題であると訴え、自治体による支援体制の強化や、ひきこもり当事者に対する理解と支援の必要性を訴えています。

さらに読む ⇒合同会社ノマド&ブランディング 大杉 潤|定年後も長く働く「トリプルキャリア」合同会社ノマド&ブランディング 大杉 潤|定年後も長く働く「トリプルキャリア」出典/画像元: https://jun-ohsugi.com/column/chuukounenhikikomori/

親亡き後、孤独死してしまうケースが増えているという現状は、非常に切ないです。

高齢の親が50代の子どもの生活を支える「8050問題」は、ひきこもりが長期化し、当事者の年齢が高齢化した結果として発生しています。ひきこもりは、もはや若者だけの問題ではなく、中高年のひきこもりは増加傾向にあります。ひきこもりの増加には、ひきこもり開始年齢の高齢化と長期化が挙げられます。近年、退職や病気、人間関係などの問題で就労経験者がひきこもるケースが増えており、不登校からひきこもりに移行する割合は減少しています。また、ひきこもり期間は平均13年で、20年以上続くケースも珍しくありません。ひきこもりの問題点は、本人や家族の自助努力だけでは解決が困難な点にあります。高齢化が進むにつれて、親が亡くなった後の生活が大きな課題となり、孤独死や衰弱死の危険性も高まります。社会的な認識や支援体制の不足も課題です。ひきこもりは家族の問題として捉えられがちで、社会福祉制度の利用は敬遠される傾向があります。そのため、ひきこもり当事者は、必要な支援を受けられない状況に置かれています。ひきこもりは、個人の努力だけでは解決できない社会問題であり、社会全体で支援体制を構築していく必要があります。

うっわ、やばい。なんか、怖い話やな。

ひきこもりの原因と家族との関係

ひきこもりの原因は、社会的な要因が大きいんですね。

中高年ひきこもり』斎藤環
中高年ひきこもり』斎藤環

✅ この記事は、季節感をテーマにした本のおすすめ特集を紹介しています。11月のお酒に合う本、ハロウィンにぴったりの本、食欲の秋に食べたいものを紹介する本、そして戦争を忘れないための本が紹介されています。

✅ 各特集では、それぞれのテーマに沿った書籍が厳選されており、読者の興味関心を刺激する内容となっています。

✅ 特集を通して、読書を通して様々な世界に触れ、新たな発見や学びを得ることを促しています。

さらに読む ⇒幻冬舎 / Gentosha幻冬舎 / Gentosha出典/画像元: https://www.gentosha.co.jp/book/detail/9784344985810/

家族との関係が、ひきこもり状態に影響を与えているというのは、重要なポイントですね。

斎藤環教授は、ひきこもり状態を「たまたま困難な状況にあるまともな人」と表現し、社会からの排除や社会的孤立が長期化の原因であると指摘しています。ひきこもりの多くは、抜け出したい思いを抱えながらも、社会参加を妨げる社会の状況によって葛藤を抱えていると説明しています。20年前には、ひきこもりが贅沢病、甘え、怠けなどの個人的要因によるものと捉えられていましたが、現在は、個人的要因よりも環境調整が必要だとする考え方が浸透してきています。斎藤教授は、家族がひきこもり状態を理解しようとせず、疎外してしまうことが長期化の一因だと分析しています。家族は、善意から本人に圧力や叱咤激励をかけてしまうことが多く、それが当事者を苦しめていると指摘しています。家族との会話が重要であり、支援者や専門家が家族との相談を継続しながら、関係修復を図ることが環境調整として重要だと強調しています。家族会に参加して関わり方の知識を学ぶことも有効であると、斎藤教授は述べています。

そっか、家族も気をつけないとダメっちゃね。

中高年ひきこもりの課題と家族へのアドバイス

ひきこもりの支援には、専門的な知識と経験が必要ですね。

中高年ひきこもり
中高年ひきこもり

✅ 「ひきこもりはスパルタで治る」という考えは、ひきこもりの原因や状態に対する理解が不足しており、悪徳業者による搾取や被害を生む危険な思想である。

✅ ひきこもりは、個人の性格や努力不足ではなく、社会的な要因や精神的な問題が複雑に絡み合って生じることが多く、スパルタ的な強制や訓練は逆効果になる可能性が高い。

✅ ひきこもりの支援には、専門家の適切な診断と、本人と家族への寄り添ったサポートが必要であり、安易に「スパルタ」という言葉に惑わされないように注意する必要がある。

さらに読む ⇒幻冬舎plus|自分サイズが見つかる進化系ライフマガジン幻冬舎plus|自分サイズが見つかる進化系ライフマガジン出典/画像元: https://www.gentosha.jp/series/chukonenhikikomori/

スパルタ的な方法では、解決できないということが分かります。

中高年のひきこもりは、もはや若者だけの問題ではなくなり、高齢の親が50代の子どもの生活を支える「8050問題」が深刻化しています。精神科医の斎藤環先生によると、ひきこもりは病名ではなく、6カ月以上社会参加せず、家族以外との対人関係がない状態を指します。中高年のひきこもりが増えた背景には、ひきこもり開始年齢の高齢化と長期化が挙げられます。近年、退職や病気、人間関係のトラブルなどをきっかけに、就労経験者もひきこもり状態になるケースが増加しています。また、ひきこもり期間が長期化し、20年、30年と続くケースも多く、家族が自助努力だけで解決するのは困難で、高齢化傾向は今後も続くと予想されます。斎藤先生は、社会に支援を求めづらい日本独自の事情も指摘し、親や家族だけでなく、地域や社会全体で連携した支援体制の構築が重要であると強調しています。この記事は、中高年のひきこもり問題に関するもので、精神科医・斎藤環さんのインタビューを中心に、家族が取り組むべき対処法について解説しています。コロナ禍におけるひきこもり当事者の苦悩、親がまず取り組むべき安心できる関係づくり、対話による関係性の改善、専門機関への相談の重要性などが解説されています。特に、ひきこもりは病気ではなく、本人への無理強いは逆効果であること、専門機関への相談や家族会への参加を通して、親が適切な対応術を身につけ、本人との対話を通じて関係性を改善していくことが重要だと強調されています。斎藤環先生は、中高年のひきこもりの親御さんに対して、子供が安心してひきこもれるような環境づくりと、親亡き後のお金の話をきちんとしておくことの重要性を説いています。特に、お金の話は、親が子供に社会参加を促すメッセージを送る上で重要であり、小遣いを渡すことで、子供が消費し、社会と接点を持ち、働く意欲を高める効果があると言います。親亡き後、子供は経済的に困窮し、働く意欲を失ってしまう可能性があるため、親は子供に生活費を保証し、将来のライフプランを立てることを勧めています。また、斎藤先生は、きょうだいがひきこもりの問題に介入することの弊害を指摘し、親亡き後は福祉に委ねることを推奨しています。具体的なアドバイスとして、親は子供に月平均2万3000円程度の小遣いを渡し、用途は自由にすることを推奨しています。また、子供名義の通帳を作り、振込みをする方法も有効です。斎藤先生は、お金があることで働く意欲が高まるという仮説を立て、経済的な不安が解消されれば、子供は自分の興味や好奇心に従って働き始める可能性があると述べています。

あんた、スパルタも、時代遅れよ。

今日は、中高年ひきこもりの現状と課題について、様々な角度からお話が伺えました。

🚩 結論!

💡 中高年ひきこもりの増加は、社会構造の変化や個人の精神的な問題など、様々な要因が複雑に絡み合っていることが分かりました。

💡 ひきこもり対策には、本人への支援だけでなく、家族や社会全体の理解と協力が必要です。

💡 ひきこもりは決して個人の責任ではなく、社会全体で取り組むべき課題であるという認識を持つことが重要です。