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正常性バイアスって知ってる?災害時に起こる怖い心の罠!とは!?

正常性バイアスって知ってる?災害時に起こる怖い心の罠!とは!?
📘 この記事で分かる事!

💡 災害時に、人が「ありえない」という先入観から危険な状況を正常と誤認してしまう心の働き

💡 正常性バイアスは、避難行動を遅らせる原因となる

💡 冷静な判断と情報収集が重要

それでは、最初の章に進みましょう。

正常性バイアスとは

Chapter-1では、正常性バイアスという認知バイアスについて詳しく解説していきます。

正常性バイアスとは?災害時に「自分は大丈夫」と考える落とし穴。事例を知って対策しよう
正常性バイアスとは?災害時に「自分は大丈夫」と考える落とし穴。事例を知って対策しよう

✅ 正常性バイアスとは、災害時に、人が「ありえない」という先入観から、危険な状況を正常と誤認してしまう心の働きで、避難行動を遅らせる原因となります。

✅ 正常性バイアスは、「自分だけは大丈夫」という思い込みや過去の経験による安心感から、正しい判断を阻害し、避難指示が出ても避難しないなど、危険を過小評価する行動につながることがあります。

✅ 災害時の正常性バイアスによる被害の拡大を防ぐためには、過去の経験に頼らず、最新の情報を冷静に判断し、避難指示などの情報に注意深く耳を傾けることが重要です。

さらに読む ⇒moshimo ストック - もしものための防災情報。災害・避難・備蓄を知ろうmoshimo ストック - もしものための防災情報。災害・避難・備蓄を知ろう出典/画像元: https://moshimo-stock.jp/article/entry/2020/03/post-38/

正常性バイアスは、まさに人間の心の奥底にある防衛本能のようなものですね。

正常性バイアスとは、危機的な状況下でも自分の先入観や経験から平時であると判断してしまう人間の心理のことです。これは、人間の心が過剰な反応に常にさらされていれば疲れてしまうため、心の保護機能として働いていると考えられます。正常性バイアスは誰にでも起こりうるものであり、特に経験豊富な人ほど陥りやすいという側面があります。災害への備えにおいては、正常性バイアスによる誤った判断を防ぐために、常に冷静さと客観的な視点を持つことが重要です。例えば、津波警報が出ていても『海岸から離れているから大丈夫』と考えて避難を遅らせてしまうなど、災害時の適切な行動を阻害する可能性があります。

なるほどね。でも、自分だけは大丈夫って思っちゃう気持ち、わかる気がするっちゃ。

正常性バイアスの影響

正常性バイアスは、私たちの日常にも深く影響を与えているんです。

正常性バイアスとは?意味や具体例、企業のリスク、対処法を解説

公開日:2024/06/14

正常性バイアスとは?意味や具体例、企業のリスク、対処法を解説

✅ 正常性バイアスは、予期せぬ事態に直面した際に、正常なことだと自動的に判断してしまう心理的メカニズムのこと。

✅ 正常性バイアスは、精神の安定につながる一方で、事態の過小評価によるリスクも存在する。

✅ 企業は、正常性バイアスの周知、リスク想定、対応方針策定、危機対応マニュアル整備などにより、リスクを最小限に抑える取り組みが必要である。

さらに読む ⇒マネーフォワード クラウド - バックオフィスから経営を強くするマネーフォワード クラウド - バックオフィスから経営を強くする出典/画像元: https://biz.moneyforward.com/payroll/basic/71626/

確かに、正常性バイアスは、リスクを過小評価してしまう可能性がある一方で、精神の安定に役立つ側面もあるんですね。

正常性バイアスは、日常生活、恋愛、仕事など、様々な場面で私たちの判断を歪めてしまう可能性があります。日常生活では、健康診断を避けたり、交通ルールを守らず危険な運転をしたりするなど、潜在的なリスクを軽視してしまうことがあります。恋愛では、パートナーとの関係の問題点を過小評価し、問題を解決しようとしないことがあります。そのため、客観的に関係を評価し、積極的にコミュニケーションを取る必要があります。ビジネスでは、市場の変化や競合の動向に鈍感になり、革新的な競合に後れを取ってしまうことがあります。柔軟な思考と市場への対応力を高めることが重要です。正常性バイアスを理解することで、リスクを認識し、より賢明な判断を下すことができるようになります。

あんたね、若い頃はもっと危険な状況を正常だと思ってたのよ!

正常性バイアスの克服

それでは、正常性バイアスを克服するための方法について考えていきましょう。

正常性バイアスとは
正常性バイアスとは

✅ 正常性バイアスとは、自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりする認知バイアスのことです。災害時など、リスクを過小評価し、適切な対策を講じる能力を阻害する可能性があります。

✅ 正常性バイアスは、自然災害、株価暴落、健康問題など、さまざまな場面で起こりうる認知バイアスです。特に災害時には、避難警報が出ていても避難しないなど、深刻な事態を引き起こす可能性があります。

✅ 正常性バイアスを防ぐために、訓練を重ねて「想定外」を想定内にすることや、周囲に流されることなく率先して避難行動に移ることが重要です。しかし、正常性バイアスは簡単に防ぐことができないため、日頃からリスクへの意識を高め、冷静に状況を判断することが大切です。

さらに読む ⇒THEORIESTHEORIES出典/画像元: https://theories.co.jp/terms-normality-bias/

正常性バイアスを完全に克服するのは難しいですが、日頃から意識することで、リスクを認識し、冷静な判断を下せるようになると良いですね。

正常性バイアスには、心の平穏を保つというメリットがある一方で、危険を認識できないというデメリットがあります。東日本大震災では、釜石市の小中学生が避難訓練を通して正常性バイアスを克服し、多くの命を救った例があります。一方で、御嶽山噴火やコロナウイルス対策では、正常性バイアスが働き、適切な対応が遅れてしまった事例が見られます。企業においても、正常性バイアスは、問題の改善やリスク回避を遅らせる可能性があります。正常性バイアスに対処するためには、まずその存在を認識することが重要です。状況に応じて行動を事前に決めておくことや、常に課題を探し続ける習慣を身につけることで、正常性バイアスの影響を最小限に抑えることができます。

克服って、どないしたらええの?

災害時の認知バイアス

次は、災害時に正常性バイアスがどのように影響するかについて解説していきます。

避難を妨げる「正常性バイアス」の罠 東日本大震災 9割以上が「溺死」【宮城発】

公開日:2021/02/25

避難を妨げる「正常性バイアス」の罠 東日本大震災 9割以上が「溺死」【宮城発】

✅ 東日本大震災で亡くなった人の9割以上が津波による溺死で、地震発生から30分以上の時間があったにもかかわらず多くの被害者が出たのは、人々が「自分のいる場所は安全だ」と思い込んで避難しなかったことが原因の一つである。

✅ この「自分のいる場所は安全だ」という思い込みは、災害心理学で「正常性バイアス」と呼ばれ、危険な状況下でも「自分だけは大丈夫」と楽観的に考えてしまう人間の心理的な傾向である。

✅ 正常性バイアスは、日常生活では心理的な安定を保つために必要なものでもある一方で、災害時においては冷静な判断を阻害し、避難行動を遅らせる可能性があるため、災害への備えとして正常性バイアスの認識と、実際の避難行動の重要性を理解することが重要である。

さらに読む ⇒FNNプライムオンライン|フジテレビ系FNN28局のニュースサイトFNNプライムオンライン|フジテレビ系FNN28局のニュースサイト出典/画像元: https://www.fnn.jp/articles/-/143881?display=full

正常性バイアスは、災害時だけでなく、日常においても様々な場面で発生する可能性があるため、常に意識しておくことが重要ですね。

2011年の東日本大震災から10年以上が経ち、2024年3月には能登半島地震が発生したこともあり、多くの人が災害への意識を高めている。しかし、災害発生時に「逃げよう」と思えない人も少なくない。これは、緊急時に目の前のリスクを過小評価してしまう「認知バイアス」が働いているためだ。代表的な認知バイアスには、「正常性バイアス」と「楽観性バイアス」がある。「正常性バイアス」は、非常事態を「普通だ」「正常の範囲内だ」と判断し、実際のリスクを過小評価してしまう心理傾向である。例えば、非常ベルが鳴っても「点検だろう」と考えてしまう。「楽観性バイアス」は、自分自身の将来について楽観的に考える心理傾向である。例えば、他の人が被災していたとしても、自分だけは大丈夫だと思う。

そうやね。でも、人間って、ついつい楽観的に考えちゃう生き物っちゃ。

災害時の行動を阻むバイアス

今回は、災害時の行動を阻む様々なバイアスについて掘り下げていきます。

風水害で逃げる時 正常性バイアスに用心して
風水害で逃げる時 正常性バイアスに用心して

✅ 風水害の危険が迫り、避難情報が出ても避難しない人がいるのは、正常性バイアスと同調性バイアスの影響が考えられる。

✅ 正常性バイアスは、異常を正常と受け止める心理作用で、危機を楽観的に捉え、避難をためらわせる。

✅ 同調性バイアスは、周囲に合わせようとする心理作用で、周囲が避難していないと、自分も避難しない傾向にある。

さらに読む ⇒くらし×防災メディア「防災ニッポン」読売新聞くらし×防災メディア「防災ニッポン」読売新聞出典/画像元: https://www.bosai.yomiuri.co.jp/feature/340

同調性バイアスも正常性バイアス同様に、危険な状況下での判断を誤らせる要因となるため、注意が必要です。

これらのバイアスは相互に補完し合い、災害時の避難を躊躇させてしまう。さらに、「正常性バイアス」を強化する機能を持つ「同化性バイアス」と「同調性バイアス」も存在する。「同化性バイアス」は、異常を背景の中に同化させてしまう傾向であり、じわじわと変化することに気づきにくい状態を表す。例えば、津波が迫っていても、潮位の変化がゆるやかであれば避難せずにいる。「同調性バイアス」は、集団の規範に従ってしまう傾向であり、集団と異なる行動を取りにくい心理状態を表す。例えば、煙が立ち込めていても、周囲の人たちが動かないので避難しない。このように、私たちは自分に都合の良いようにバイアスをかけて物事を認知しがちなのだ。

あんたら若い者は、周りの人に流されやすいのよ!

今回の記事では、災害時に起こる正常性バイアスについて解説いたしました。

🚩 結論!

💡 正常性バイアスは、災害時において冷静な判断を阻害する可能性がある

💡 正常性バイアスを克服するには、日頃からリスクへの意識を高めておくことが重要

💡 災害時の行動を阻むバイアスには、同調性バイアスや楽観性バイアスなどがある