上野千鶴子さんと小島美里さんの対談から考える、認知症の独居者の在宅死は本当に可能なのか?認知症の在宅ケアの現実とは!?
💡 上野千鶴子さんと小島美里さんの対談では、認知症の独居者の在宅死の可能性について議論されました。
💡 対談では、介護保険制度の現状や課題、そして認知症の独居者の在宅ケアの現実が浮き彫りになりました。
💡 上野千鶴子さんの考え方や、小島美里さんが考える理想的な最期についても紹介します。
それでは、今回のテーマである「認知症の独居者の在宅死」について、上野千鶴子さんと小島美里さんの対談から詳しく見ていきましょう。
対談の背景と課題
今回の対談は、まさに「死」と向き合う上で重要なテーマを扱っていますね。
公開日:2022/12/19
✅ 上野千鶴子氏と小島美里氏の対談は、小島氏が上野氏の著書「在宅ひとり死のススメ」への疑問から実現した。
✅ 小島氏は介護現場の実態から「在宅ひとり死は難しい」と感じており、その現状を伝えるために「あなたはどこで死にたいですか?」を執筆した。
✅ 上野氏は小島氏の著書を高く評価し、介護現場からの生の声を伝える重要性を強調した。特に、制度と現場のギャップを浮き彫りにした点が素晴らしいと述べている。
さらに読む ⇒認知症とともにあるウェブメディア|なかまぁる出典/画像元: https://nakamaaru.asahi.com/article/14794199上野先生と小島さんの対談は、まさに「死」と向き合う上で重要なテーマを扱っていますね。制度と現場の実態のギャップが浮き彫りになり、改めて介護保険制度の課題を感じます。
上野千鶴子さんと小島美里さんの対談は、小島氏が上野氏の著書「在宅ひとり死のススメ」に対する疑問と、介護現場からの発信の必要性を感じたことから実現しました。上野氏は、小島氏の著書「あなたはどこで死にたいですか」を高く評価し、現場の実態を克明に描いた内容を称賛しました。特に、介護保険制度の改悪が現場に与える影響について深く掘り下げている点を評価しました。対談では、在宅ひとり死の可能性について、上野氏は寝たきりであっても意思疎通が可能な場合は可能だとする一方、小島氏は介護保険制度の現状では認知症が進んだ状態での在宅ひとり死はほぼ不可能であると主張し、現場の厳しさを指摘しました。上野氏は今回の対談を通じて、在宅ひとり死を実現するための条件や、認知症患者の在宅ひとり死の可能性、そして小島氏自身の理想とする最期について、3つの大きな問いを投げかけました。対談の前編では、制度・政策と現場のギャップ、介護保険制度の現状と課題などが議論され、今後の展開が期待されます。
なるほどね。やっぱり制度と現場って、なかなか噛み合わんもんね。
認知症の独居者の在宅介護
認知症の独居者の在宅介護という現実的な問題ですね。
✅ 介護保険制度は、高齢者の介護を社会全体で支えることを目的に2000年に創設され、現在では約606万人が利用する重要な制度となっています。
✅ しかし、当初の理想とはかけ離れ、介護現場は深刻な状況に置かれており、このセミナーでは介護保険制度の基本、現場の現状、そして状況をさらに厳しくする国の方針について学びます。
✅ 講師は、NPO法人暮らしネット・えん代表理事の小島美里氏で、講演内容は介護現場の実情や課題について詳しく解説されるため、関心のある方はぜひ参加をご検討ください。
さらに読む ⇒ 緑の党 グリーンズジャパン出典/画像元: https://greens.gr.jp/notice/event-info/35066/認知症の独居者の在宅介護は、制度面だけでなく、精神面でも大きな課題を抱えていることが分かりました。
対談の中編では、認知症の独居者が在宅で最期まで過ごすための条件について議論されました。小島さんは、介護保険制度の現状では、認知症の人に対するケア提供が十分ではなく、特に初期の段階での手厚いケアが不足している現状を指摘しました。具体的には、認知症の初期段階では、日中落ち着いて過ごしていたとしても、家に帰るとパニックを起こしたり、徘徊したりするなど、介護負担が大きくなりがちです。しかし、現在の要介護認定制度では、身体的な自立度が重視されるため、認知症の程度が軽視されてしまい、十分なケアを受けられないケースが多いとのことです。上野さんは、認知症の初期段階での見守りの重要性を指摘し、その頻度について質問しました。小島さんは、30分おきに必要となる場合もあるとしながらも、現在の介護保険制度では、訪問介護の提供時間が原則2時間空けなければならないルールがあるため、十分な見守りができない現状を訴えました。さらに、上野さんは、人の目をテクノロジーで代替できる可能性について質問しました。小島さんは、GPSなどのテクノロジーは活用できる場面もある一方で、認知症の人自身に抵抗がある場合も多く、万能ではないと指摘しました。今回の対談では、認知症の独居者が安心して在宅で過ごせるための課題が浮き彫りになり、介護保険制度の見直しや、テクノロジーを活用した新たなケアの必要性が示唆されました。
あら、認知症の人って、一人じゃ生きていけないのかしらね。
老後の選択肢と介護保険制度の課題
サ高住は、認知症の独居者にとっては適切な選択肢なのでしょうか。
公開日:2024/03/18
✅ 認知症の父がサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)に入居できるかについては、施設によって大きく異なる。サ高住のほとんどは外部の介護事業所と契約して介護サービスを利用する形式であり、常に見守りがあるわけではないため、認知症の方の場合、転倒などのリスクがある。
✅ 認知症の父が入居する場合、有料老人ホームやグループホームなど、認知症の方の受け入れ体制が整っている施設を探すことをおすすめする。
✅ サ高住は、介護を提供する施設というよりも、高齢者が生活しやすいような環境を整えた住宅という位置づけで、介護サービスを利用したい場合は、外部の訪問介護サービスやデイサービスを利用する必要がある。介護が頻繁に必要な場合、介護サービス費用がかさんでしまう可能性がある。
さらに読む ⇒介護施設・老人ホーム検索のいい介護出典/画像元: https://e-nursingcare.com/guide/qa/qa-19735/サ高住は、認知症の独居者にとっては必ずしも最適な選択肢ではないことが分かりました。
対談後編では、小島氏の老後について、認知症が進行した場合にはグループホーム入居の可能性を検討していると語り、サ高住は中途半端であるという認識を示しました。上野氏はサ高住は特別養護老人ホームの代替として厚労省と国交省が作った゛陰謀゛であると指摘し、質の低い事業者の淘汰が進むべきだと主張しました。また、介護保険制度の今後の課題として、複雑化による利用者への分かりにくさと、ホームヘルパーの不足による消滅の危機が挙げられました。小島氏は、介護職員の育成の重要性を訴え、現状の制度が維持され、質の高い介護サービスが提供され続けるよう願っています。上野氏は、団塊世代の高齢化に伴い、介護サービスの受益者と購買者が一致することで、質の高いサービスが選ばれるようになると期待を表明しました。
え、サ高住って、認知症の人にはあんま向いてないんかな?
上野千鶴子さんの考え方
上野千鶴子さんの考え方は、とても興味深いです。
✅ 本書は、著者の「おひとりさま」シリーズの第四弾であり、これまで「老後」や「最期」について考察してきた著者が、自身の高齢化と社会の変化を踏まえ、゛要介護認定高齢者゛になることを目標に、高齢者の「死後」について考察している。
✅ 著者は、自身の経験と社会学者の春日キスヨ氏や樋口恵子氏などの専門家の意見を交えながら、高齢者の「ヨタヘロ期」や「介護される知恵」について論じ、高齢者を取り巻く状況の変化を指摘している。
✅ 本書は、高齢者自身の視点から、自身の死後や介護について考え、これからの高齢社会をどのように生きていくのか、読者に問いかける内容となっている。
さらに読む ⇒本の話 ~読者と作家を結ぶリボンのようなウェブメディア~出典/画像元: https://books.bunshun.jp/articles/-/6025上野千鶴子さんの考え方は、老いに対する新たな視点を与えてくれます。
上野千鶴子さんは、認知症は誰がなっても不思議ではないとし、予防ではなく、なったときの備えを重要視しています。具体的には、任意後見、身上監護、死後事務委任の三点セットを準備し、独居での在宅死を望んでいます。認知症になった場合でも、当事者主権を尊重し、本人のしたいように生活できるよう、周囲のサポートが大切だと訴えています。また、高齢者や文化人が認知症になっても、社会から姿を消すことなく、その姿を見せることで、老いに対する認識や理解を深める必要があると主張しています。上野さん自身は、認知症になっても、世間に自分の姿をさらすことを恐れないと表明し、樹木希林さんのように、老いを率直に見せることの重要性を強調しています。
うん、確かに、老後の準備って、死後まで考えとくべきだよね。
対談の意義
今回の対談は、介護保険制度の課題や、認知症の独居者の在宅ケアの現状について、改めて考えさせられました。
公開日:2024/07/29
✅ 政府は訪問介護の基本報酬を引き下げたが、NPO法人暮らしネット・えんの代表理事の小島美里さんは、サ高住の訪問介護と在宅ヘルパーの労働内容の違いを考慮せず、同一基準で報酬を引き下げていると批判しています。
✅ サ高住のヘルパーは、一箇所に集中的にサービスを提供できるため、在宅ヘルパーよりも効率的で利益率が高いのは当然であり、両者を同一視することは不当であると主張しています。
✅ 小島さんは、報酬引き下げによって廃業する事業所も出ており、政府の政策に疑問を呈し、コロナ禍で苦境に立たされている介護事業者への理解を求めています。
さらに読む ⇒ニュースサイト出典/画像元: https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20240726/pol/00m/010/004000c政府の政策によって、介護現場はますます厳しい状況に追い込まれていると感じます。
上野千鶴子さんと小島美里さんの対談は、認知症という現代社会における重要な課題について、多角的な視点から議論が展開され、今後の高齢化社会における介護サービスのあり方や、認知症に対する社会全体の意識改革の必要性を示唆しています。
あら、政府は、もっと介護現場のことを考えてあげないとね。
今回の対談では、認知症の独居者の在宅ケアの現状と課題が浮き彫りになりました。
💡 認知症の独居者の在宅死は、介護保険制度の現状では難しい。
💡 認知症の独居者の在宅ケアには、制度の見直しや、新たなケアの必要性がある。
💡 上野千鶴子さんは、晩年の生き方について、自身の考えを表明した。