角田光代『方舟を燃やす』は、現代社会を生きることの難しさとは?『源氏物語』現代語訳への挑戦とは!!?
💡 角田光代さんの新作小説『方舟を燃やす』について解説します。
💡 角田光代さんが現代語訳した『源氏物語』のこだわりについて解説します。
💡 角田光代さんの短編集『さがしもの』に収録されている、本と人との繋がりについて解説します。
それでは、角田光代さんのインタビューから、具体的な内容を見ていきましょう。
作家としての歩みと新作『方舟を燃やす』について
角田光代さんの作品は、登場人物たちの心の機微を丁寧に描写されていると感じます。
公開日:2024/05/03
✅ 本書は、1967年に生まれた飛馬と50年代に生まれた不三子の、それぞれの個人史を2022年まで交互に語りながら、日本の半世紀にわたる事象を背景に展開する。
✅ 飛馬と不三子は、噂や情報に基づいて行動するが、それは空回りし、罪の意識や疎外感に繋がってしまう。彼らの行動の根底には他者を思う願いがあるため、その姿はいたましい。
✅ 物語を通して、真実とは何か、信じる行為の奥底にある深淵、そして他者への思いやりが生の実感をもたらすことを考えさせられる。特に不三子の母の戦時体験は、かつての絶対的な真実が欺瞞であったという恐ろしさを象徴し、読者に深い衝撃を与える。
さらに読む ⇒読売新聞オンライン : ニュース&お得サイト出典/画像元: https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/reviews/20240430-OYT8T50062/現代社会では、真実を見極めることが難しいと感じます。角田光代さんの作品は、この難しい状況を私たちに考えさせてくれると感じます。
角田光代氏は、幼少期から読書好きで、15歳の時に読んだサリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』が、学校に馴染めなかった自身の心を救ったと語ります。新作『方舟を燃やす』では、戦後生まれの男女が、コロナ禍を含む半世紀の時間を経て、現代社会で生きることの難しさ、信じることの脆さ、そしてそれぞれの心のよりどころを探し求める姿を描いています。コロナ禍におけるデマや陰謀論の蔓延を通して、信じることの複雑さを改めて考えさせられると語ります。角田さんは、長編小説の執筆を通して、現代という時代そのものが複雑で、登場人物も明確な答えを見出せない状況にあると感じています。今後の作品では連載をやめ、書き下ろし作品で新しい挑戦をしたいと考えています。
確かに難しい時代やけど、角田さんの作品は、そういう時代でも希望を見出せるような気がするばい。
『源氏物語』現代訳への取り組み
『源氏物語』は、古文で書かれた作品なので、現代の読者にとっては難しいと感じることがあります。
✅ 角田光代さんは、「読みやすさ」と「感情のリンク」を重視した現代語訳を目指した。
✅ 「読みやすさ」については、難しい言葉を避けてすらすら読める文章を目指した。また、俯瞰的な面白さを理解しやすくするため、プレーンな文章で記述した。
✅ 「感情のリンク」については、現代の読者にも共感できるような感情表現を心がけ、当時の男女関係とは異なる部分も、感情の面では共通点を見出せるように訳した。
さらに読む ⇒Web河出出典/画像元: https://web.kawade.co.jp/bungei/1486/角田光代さんは、現代の読者が理解しやすいように、平易な言葉で『源氏物語』を訳したとのことです。素晴らしいですね!
角田光代氏は、池澤夏樹氏が編集する「日本文学全集」プロジェクトで『源氏物語』の現代訳を依頼されました。高校時代以来の『源氏物語』でしたが、力まずに「こっそり訳してもいいんじゃないか」という気持ちで引き受けました。しかし、現代訳を読んでも理解に苦労したため、平安文学研究者の山本淳子先生の解説書を読んで、平安時代の文化や風俗を理解することで『源氏物語』への理解を深めました。その経験から、角田氏は自身の訳では敬語を省略するという、現代の読者にとってより理解しやすい方法を採用したと語っています。
昔は源氏物語なんて、貴族の遊びだと思ってたけど、現代でも十分に楽しめるんやね。
『源氏物語』翻訳のこだわりと発見
『源氏物語』の新訳が、第72回読売文学賞(研究・翻訳賞)を受賞したというのは、素晴らしいですね。
✅ 角田光代訳の「源氏物語」が、河出文庫古典新訳コレクションとして刊行累計29万部を突破しました。
✅ また、オーディオブック版が、元NHKアナウンサー内藤裕子さんの朗読でAudibleより配信されます。
✅ 角田光代訳は、小説としての面白さを堪能できる最新の現代語訳として、第72回読売文学賞(研究・翻訳賞)を受賞しており、NHK大河ドラマ「光る君へ」の放送や無料試し読み連載と相まって、ますます注目を集めています。
さらに読む ⇒PR TIMES|プレスリリース・ニュースリリースNo.1配信サービス出典/画像元: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000704.000012754.html角田光代さんの翻訳は、原文の美しさも保ちながら、現代の読者にも分かりやすく、本当に素晴らしいですね!
角田光代氏は、『源氏物語』の新訳を引き受けた際に、特別な思い入れはなく、むしろニュートラルな気持ちで作品と向き合えたと述べています。訳すにあたっては、読みやすさと感情のリンクを重視しました。読者がすらすら読めるように、難しい言葉を避けて平易な文章を用い、当時の男女関係とは異なる時代背景であっても、感情面で現代の読者との共通点を感じられるように訳しました。翻訳を進める中で、源氏物語は緻密に構成され、伏線が巧妙に張り巡らされていることに驚きました。また、当時の感情が現代にも通じることに気づき、名前を持たずに役職や部屋の名前で呼ばれる女性たちは、時代を超えて共通する「女」としての側面を持つと感じたそうです。角田氏は、現代の読者にも感情移入できるような翻訳を目指し、源氏物語の魅力を新たな視点から提示しようと試みています。
源氏物語、めっちゃ売れてるみたいやんな。角田さん、すごいわー!
『さがしもの』 本と人との深いつながり
『さがしもの』は、本を題材にした短編集ということで、私自身も本を読むのが好きなので、とても興味深いですね。
公開日:2022/08/09
✅ 「さがしもの」は、角田光代さんの短編集で、それぞれの物語に本が重要な役割を果たしています。
✅ 特に「彼と私の本棚」と「初バレンタインデー」では、失恋と初恋という普遍的なテーマに本が加わることで、読者に深く共感できるストーリーとなっています。
✅ 作品全体を通して、人生は複雑で、答えはすぐに得られるものではなく、長い時間をかけて味わうものだというメッセージが伝わってきます。
さらに読む ⇒ホントタビ出典/画像元: https://hontotabi.com/%E3%81%95%E3%81%8C%E3%81%97%E3%82%82%E3%81%AE%E3%80%80%E8%A7%92%E7%94%B0%E5%85%89%E4%BB%A3/角田光代さんの作品は、どれも心に響くものばかりですね。特に『さがしもの』は、本と人との関係が深く描かれていて、感動しました。
『さがしもの』は、角田光代さんの短編小説集で、本をめぐる9つの物語が収録されています。それぞれの物語は、本と人との深い関係、そして本が持つ不思議な力を読者に感じさせる、繊細で美しい短編集です。特に印象的なのは、3つの物語です。「旅する本」では、主人公が何度も手放す、しかし再び巡り合う古本を通して、自身の変化に気づき、本が持つ特別な意味を再認識します。「彼と私の本棚」では、恋人との別れを経験し、本棚を共有していた思い出と、失われた時間、そして新たな章への希望が描かれます。「不幸の種」では、元恋人が残した謎めいた一冊の本が、親友の人生に影響を与え、人の運命と本の不思議な繋がりを感じさせる物語となっています。角田光代さんの作品は、登場人物たちの心の機微を丁寧に描写し、日常の中に隠された感情や物語を鮮やかに浮かび上がらせてくれます。本にまつわる様々な感情や経験を通して、自分自身と向き合うきっかけを与えてくれる、そんな作品です。
角田さんの作品は、なんか、ほっこりするよね。本を読むって、ホンマにいいことやばい。
現代社会を生きることの難しさや、真実を見極めることの難しさについて、改めて考えさせられる内容でした。
💡 角田光代さんの新作『方舟を燃やす』は、戦後生まれの男女が、コロナ禍を含む半世紀の時間を経て、現代社会で生きることの難しさ、信じることの脆さ、そしてそれぞれの心のよりどころを探し求める姿を描いている。
💡 角田光代さんの『源氏物語』現代語訳は、読みやすさと感情のリンクを重視し、現代の読者にも理解しやすいように訳された。
💡 角田光代さんの短編集『さがしもの』は、本と人との深い関係、そして本が持つ不思議な力を読者に感じさせる、繊細で美しい短編集である。