上野千鶴子氏が語る『おひとりさま』老後？高齢者の生き方とは！？
💡 高齢者の「おひとりさま」ライフが増加している。
💡 家族同居のメリット・デメリットを解説する。
💡 高齢者の「在宅ひとり死」のススメについて考察する。
それでは、第一章から見ていきましょう。
高齢者の「おひとりさま」ライフと家族同居の現実
第一章では、高齢者の「おひとりさま」ライフと家族同居の現実について詳しく解説していきます。
公開日:2024/05/27
✅ 高齢化社会における親子の関係の変化について、上野千鶴子氏は「親不孝介護」が注目されていることに対し、すでに30年前から世帯構成は大きく変わっており、親子の家計分離が進んでいるため、゛何を今さら゛という感覚だと述べています。
✅ 1980年代には三世代同居が一般的でしたが、年金制度の導入や介護保険の開始により、親は子の財布に頼る必要がなくなり、子は親の面倒を見なくてもよくなったことから、世帯分離が進み、家計分離が先行したと分析しています。
✅ かつては親の呼び寄せ同居が主流でしたが、親も子も不幸を感じることが多く、愛情ではなく社会規範や義務感からくる親孝行であった可能性を指摘し、そのような同居は親孝行とは言えないと結論付けています。
さらに読む ⇒
マネーポストWEB出典/画像元: https://www.moneypost.jp/1145852なるほど、やはり経済状況が大きく影響しているのですね。
上野千鶴子氏は、高齢者のひとり暮らしを「おさみしいでしょうに」と安易に言うのは、特に本人がそのライフスタイルを選んでいる場合は余計なお世話だと主張しています。高齢者の単身世帯率が増加している背景には、家族との同居が必ずしも幸せとは限らない現実があることが挙げられます。同居は、経済的に余裕があれば別居を選択する人が増えるほど、親子双方にとってストレスを生みやすいと上野氏は指摘しています。同居によるストレスは、人間関係から発生し、特に介護が開始されると、双方にとって負担が大きくなる可能性があります。介護に第三者が介入することは、家族が適切な距離をとる上で重要であり、中途同居や「たらいまわし同居」は、幸福度が低い傾向が見られます。高齢者のひとり暮らしと家族同居を分ける要因として、経済状況が挙げられ、特に中程度の経済階層で同居率が高いことが示されています。これは、経済的な余裕がある人は、別居を選択できる一方、経済的に困窮している人は、家族の助けが必要となることから、同居を選択せざるを得ない状況であることを示唆しています。
えー、同居ってホンマ大変そうやんな。
そうやね、経済状況って大事よね。
昔は、子供が親の面倒を見るのが当たり前やったけど、今は違うんよね。
高齢者の「自由」と「自己決定権」
第二章では、高齢者の「自由」と「自己決定権」について掘り下げていきます。
✅ この記事は、上野千鶴子氏が提唱する「在宅ひとり死のススメ」に対する批判的な意見を述べている。
✅ 著者は、上野氏が「おひとりさま」を推奨する一方で、自身の生活経験や思想には矛盾点があるとし、特に若い女性に対する影響を懸念している。
✅ また、上野氏の主張は、自己中心的で、他者への配慮や責任を欠いていると指摘し、特に子育て経験の有無によって老後の状況は大きく異なることを強調している。
さらに読む ⇒エンサイクロメディア空海出典/画像元: https://www.mikkyo21f.gr.jp/kukai-ronyu/cat55/post-316.html上野先生は、高齢者の「自由」を尊重する一方で、責任や配慮の重要性も訴えているんですね。
上野千鶴子さんの講演では、高齢者が「おひとりさま」として自由に生きることの重要性が強調されました。講演では、高齢者が自宅で介護を受けながら亡くなることが理想的な選択肢として提示され、家族に介護を負担させることへの抵抗感や、施設入所に対する不安を取り除くための具体的な提言がなされました。講演者は、高齢者が自分のペースで生活し、周囲に気兼ねなく過ごす権利を主張し、介護保険制度の問題点に触れつつ、高齢者の自己決定権の重要性を訴えました。また、高齢者に対する社会の偏見や不安を取り除くことで、高齢者が安心して自由に生きられる社会の実現を促すメッセージを発信しました。講演を受けた読者からは、高齢者に対する考え方や社会への期待、そして自身の将来に対する前向きな展望が語られました。
え、でも、おひとりさまって寂しいんちゃう？
そうかな？人それぞれやけん、好きなように生きればいいと思うばい。
昔は、家族みんなで一緒に住んで、面倒を見るのが当たり前やったけど、今は違うんよね。
「在宅ひとり死」のススメ：家族に頼らない最期
第三章では、上野千鶴子さんの提唱する「在宅ひとり死」のススメについて解説していきます。
✅ 「孤独死」ではなく「在宅ひとり死」という概念を提唱し、自宅で自分らしく最期を迎える方法を解説している。
✅ 「在宅ひとり死」を実現するための具体的な方法として、医師、看護士、介護士、看取り士のコーディネート方法や、在宅ひとり死で必要な費用などを紹介している。
✅ 「老後の幸せ度」は「おひとりさま」が高く、「老夫婦ふたり」世帯が低いことや、認知症になっても「在宅ひとり暮らし」で問題がない理由などを挙げ、在宅ひとり死への不安を解消する。
さらに読む ⇒本の話 ～読者と作家を結ぶリボンのようなウェブメディア～出典/画像元: https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784166612956なるほど、家族に頼らず、自分のペースで最期を迎えるという考え方は、今の時代には重要かもしれません。
社会学者の上野千鶴子さんの最新刊『在宅ひとり死のススメ』は、高齢者が自宅で穏やかに最期を迎えるための指南書。本書では、かつては家族がいてこそ可能と考えられていた在宅看取りが、介護現場の経験値向上により、むしろ家族がいないほうが本人にとって良い状況になっていることを明らかにしています。介護保険制度の導入や訪問看護師、介護職の意識変化によって、病院や施設ではなく、自宅で最期を迎えることが現実的な選択肢になってきたのです。上野さんは、高齢者の「在宅ひとり死」を、孤独死ではなく、家族に頼らず、自分のペースで人生を終えることを意味すると提唱しています。また、ひとり暮らしの高齢者を「孤立した生」と捉え、生活における孤立こそが問題であり、死後の発見によって「孤独死」とレッテルを貼られることを恐れる必要はないと主張しています。本書は、高齢者が安心して自分らしく人生を終えるためのヒントを与え、家族中心の介護という従来の考え方を見直すきっかけとなるでしょう。
え、おひとりさまで死ぬのって怖くない？
いや、別に怖くないと思うよ。
昔は、自宅で亡くなると、近所の人が噂するもんやったけど、今は違うんよね。
”「おひとりさま」の老後：社会学的な視点からの考察”
”第四章では、高齢者の「おひとりさま」の老後を社会学的な視点から考察していきます。”
公開日:””
✅ ”上野千鶴子さんの講演会「おひとりさまの老後」が危ない！が2024年1月31日に開催されます。”
✅ ”講演会では、高齢化社会における「おひとりさま」の生活と、介護保険制度の現状について、上野千鶴子さんが解説します。”
✅ ”参加費は500円で、定員は300名です。申込みは1月28日締め切りです。”
さらに読む ⇒
”ウィメンズアクションネットワーク出典/画像元: ”https://wan.or.jp/calendar/detail/7484″”上野先生は、老後の準備や心構えについて、具体的なアドバイスをされているんですね。”
”本書は、東京大学教授の上野千鶴子氏による、おひとりさまの老後をテーマにしたエッセイです。結婚の有無に関わらず、誰もが最後は一人となる現実を踏まえ、老後の準備や、安心できる最期を迎えるための心構えを、社会学的な視点から考察しています。具体的には、住居、お金、介護、医療、最期の過ごし方、遺言、死後など、おひとりさまが直面する様々な課題について、具体的な解決策やアドバイスを提示しています。また、孤独感、死への不安、老後の経済的な不安など、心の持ち方についても触れ、社会学者の視点から解説しています。本書は、老後を迎える全ての人、特に結婚せずに老後を過ごすことを選択する人にとって、有益な情報と心の準備を提供する一冊です。”
”え、老後ってホンマに怖いなぁ。”
”大丈夫大丈夫、みんなそう思っとるよ。”
”昔は、老後なんて考えられなかったけど、今は違うんよね。”
「おひとりさま」社会と社会制度の課題
第五章では、高齢者の「おひとりさま」社会と社会制度の課題について考察していきます。
✅ 「仕事としての介護」を突き詰めた著者が、介護現場で得た経験を社会学者に語り、冷静な分析を通して、自身の経験が社会的にどのような意味を持つのかを明らかにする。
✅ 社会学者の分析を通して、著者の経験は「事実」として整理され、現実を客観的に見つめ直す機会を与えられる。
✅ 社会学者との対話を通して、著者は自身の過去を振り返りながら、今後の介護への向き合い方を改めて考えるきっかけを得る。
さらに読む ⇒高口光子の元気がでる介護研究所出典/画像元: https://genki-kaigo.net/2023/10/09/2023%E5%B9%B410%E6%9C%8817%E6%97%A5-%E7%99%BA%E5%88%8A%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82%E3%80%8C%E3%81%8A%E3%81%B2%E3%81%A8%E3%82%8A%E3%81%95%E3%81%BE%E3%81%AE%E8%80%81%E5%BE%8C%E3%80%8D%E3%81%8C/制度設計や社会全体の意識改革が重要だと感じます。
上野千鶴子氏は、単独世帯の増加は人口学的趨勢であり、避けることはできないとして、社会制度の設計が重要であると指摘しています。高齢おひとりさまの女性は貧困率が高く、男性は孤立しやすい傾向があることをデータで明らかにし、その原因を探っています。女性の貧困は、低年金、低収入の仕事にしかつけないこと、そして正規と非正規労働の格差が原因だと分析しています。特に、女性の非正規雇用は、夫に扶養されていれば女性の収入は家計補助でいいだろうという社会的な認識が根底にあると指摘しています。一方、男性の孤立は、離別や非婚の増加による親子関係の断絶、経済的な困難、そして「出会い」への期待感を持つ男性が多いことが原因だと分析しています。さらに、男性は同質的な組織の中で、心を許せる友人関係を築きにくく、弱さを見せない人間関係を作りがちであることから、困ったときに助け合えるような人間関係が不足している現状を指摘しています。上野氏は、男女間のコミュニケーション能力の差異や、社会における男性らしさ、女らしさの固定観念が、このような状況を生み出している可能性に言及しています。上野千鶴子さんは、2007年に『おひとりさまの老後』を出版し、その後も「おひとりさま」のライフスタイルについて研究を続けてきました。当初は、子供がいなくて老後が不安な「かわいそう」とされてきた少数派のために書かれた本でしたが、今では「おひとりさま」は市民権を得て、多くの人が選択するライフスタイルになっています。上野さんは、介護保険法の施行や介護福祉のインフラ整備により、家族に頼らずとも「おひとりさま」で安心して老後を過ごせる環境が整いつつあると指摘しています。また、50代から少しずつ将来について考え始めることで不安を減らし、年齢を重ねることを楽しめるようになるとも話しています。上野さんの本は、多くの読者に老後に対する不安を解消し、希望を与えてきました。そして、時代の変化とともに「おひとりさま」というライフスタイルはますます注目を集めていくでしょう。上野千鶴子さんは、介護現場の人手不足の原因の一つに、低賃金と待遇改善が進まないことを指摘しています。これは、介護労働がかつて「女のただ働き」とされてきた歴史と、男性稼ぎ主モデルに基づく非正規雇用の構造に起因すると分析しています。介護報酬は、仕事に見合わない安さで設定されており、利用者負担や介護保険料の増額につながる問題点も指摘しています。上野さんは、介護保険制度が「在宅ひとり死」ができる制度であり続けるためには、介護労働の待遇改善とジェンダー問題への意識改革が不可欠だと訴えています。
え、おひとりさまって、ホンマに大丈夫なん？
大丈夫大丈夫、みんな色々考えてるよ。
昔は、おひとりさまなんて考えられなかったけど、今は違うんよね。
この記事では、高齢者の「おひとりさま」ライフについて、様々な側面から解説しました。
💡 高齢者の「おひとりさま」ライフは増加傾向にある。
💡 家族同居は、経済状況や価値観によって異なる。
💡 高齢者の「在宅ひとり死」は、家族に頼らず、自分のペースで最期を迎える選択肢の一つ。
