『ぼっちな食卓』が描く家族の未来?現代の食卓は「個」の時代とは!?
💡 現代の家族は、個を重視する傾向が強まっている。
💡 家族揃って食事をする機会が減少し、個々の家族が自分のしたいこと、食べたいものを優先するようになっている。
💡 家族崩壊の現実と、その原因を探り、現代家族が抱える課題について解説する。
それでは、本書の内容を詳しく見ていきましょう。
食卓の変化:個の尊重と家族時間の減少
現代社会において、家族の在り方が大きく変化していることを示唆する興味深い内容ですね。
公開日:2023/12/16
✅ 本書は、1998年から20年間にわたって同じ家庭の食卓を調査した結果をまとめたもので、著者は「標準家族」など存在せず、「個」を重視する傾向が強まっていることを発見しました。
✅ 調査の結果、20年前に比べて、家族が揃って食事をする機会が減少し、それぞれの家族が自分のしたいこと、食べたいものを優先するようになっていることが明らかになりました。
✅ 著者は家庭の荒廃を危惧していますが、評者は、現在の形が定着していくことで解消される可能性を示唆し、「理想の家庭像」はもはや存在しないと結論付けています。
さらに読む ⇒婦人公論.jp|芸能、事件、体験告白……知りたいニュースがここに!出典/画像元: https://fujinkoron.jp/articles/-/10176?display=full昔と比べて、家族の時間が減っているのは、私も実感しますね。
岩村暢子客員教授は、20年以上、食卓を通じて家族の変化を研究し、約500世帯、1万件近い日記と2万枚近い写真を収集してきました。1960年以降、日本の家族は大きく変化し、個の尊重が重視されるようになり、家族全員が揃って食卓を囲む時間が減っています。部活や塾、交代制勤務など、家族の時間調整が難しくなり、食卓は個々人が好きなものを好きな時間に食べるスタイルに移行しています。コロナ禍で家族の絆を見直す機会はありましたが、食卓は依然として個人の時間と空間として捉えられています。
そうやね、みんな忙しいし、自分の時間の方が大切やけんね。
家族崩壊の現実:希薄化する家族意識と健康への影響
戦後世代の食生活の変化は、現代の食文化に大きく影響を与えていると感じますね。
✅ 戦中戦後の食糧難を経験した「おばあちゃん」世代は、自身の子供の頃、食事が粗末で不味かった経験から、親の料理を「継承したい」と思わなかった。
✅ さらに、戦後、新しい洋風・中華風の家庭料理を積極的に受け入れ、インスタント食品や簡便食品を料理に取り入れた。
✅ そのため、現代の「おばあちゃん」世代は、伝統的な家庭料理を次世代に継承する意識が薄く、食卓における子どもの好き嫌いは「嫌がることはしたくない」「楽しくなくちゃ」という考えから容認される傾向にある。
さらに読む ⇒中央公論.jp出典/画像元: https://chuokoron.jp/society/124990.html家族意識の希薄化は、深刻な問題ですね。
岩村暢子氏は、20年間にわたる食卓調査で、家族の変化を記録し、最新刊では1998年から2009年の調査対象家庭のうち、20年後に連絡がついた8家庭を対象に、当時の食卓写真と面接調査を比較分析しました。その結果、多くの家庭で家族関係が崩壊し、共食や家族意識が希薄になっていることが明らかになりました。調査対象の多くは、親世代が50代で、家族揃って食事をする習慣がなく、外食やコンビニ食が中心となっています。健康状態も悪化している家庭が多いですが、最初のアンケートでは「問題なし」と回答していたケースも多く、健康に対する意識の低さが懸念されます。
昔は、みんな貧乏で、毎日同じようなご飯だったけど、家族団欒はあったのよ。
崩壊の原因:個の意識と家族意識の対立
家族崩壊の原因は、多岐にわたりますが、コミュニケーション不足も大きな要因ですね。
✅ この記事では、円満な家庭を壊す可能性のある「要注意人物」として、お金にだらしのない家族、過干渉な義理の両親、遊び好きな夫の親友、プライベートに過度に干渉してくるママ友の4つのケースを紹介しています。
✅ それぞれのケースにおいて、その人物の行動が夫婦関係に悪影響を及ぼす可能性と、そのような状況に対処するために家族内でコミュニケーションを密にすることの重要性が指摘されています。
✅ 具体的には、家族に内緒でお金を貸すことは裏切り行為に繋がりかねないことや、義理の両親の過干渉は夫婦間の言い争いを招く可能性があること、夫の親友の遊びに振り回されることで家族の時間や夫婦関係が疎かになること、ママ友の過度な介入はプライバシー侵害や夫婦間の不信感を生む可能性があることが挙げられています。
さらに読む ⇒Infoseekインフォシーク - 楽天が運営するニュースサイト出典/画像元: https://news.infoseek.co.jp/article/anan_559036/家族間のコミュニケーションの大切さを改めて認識させられます。
家族崩壊の原因として、ブラック部活やブラック企業による長時間労働が挙げられますが、それ以上に、家族それぞれの「自分が大切」「家族といえど邪魔されたくない」という意識が強いことが影響していると推測されます。本書では、崩壊を免れた円満家庭も紹介されていますが、その数はわずか2割程度です。これらの家庭では、夫婦関係が良好で、子供への躾も厳しく、家族揃って食事をする習慣が根付いていました。
え、まじ!?そんな人おるん!?
現代家族の課題:失われつつある家族の絆と共食文化
共食の大切さ、改めて認識させられますね。
✅ 共食は、食事を通して心の成長を促す「共食力」の重要な要素であり、家族や友人と食卓を囲むことで、愛情ホルモンであるオキシトシンが分泌され、心身の安定や幸福感に繋がり、ストレスや不安を軽減する効果がある。
✅ 共食は、健康的な食生活習慣の形成にも大きく貢献する。朝食の欠食率が減り、食事時間の規則性やバランスの取れた食事の摂取につながる。また、家族で共食をする機会が多い子どもは、早寝早起きなど、生活習慣全般において好循環が生まれやすい傾向が見られる。
✅ 共食を通して食事のマナーや社会性を学ぶことができる。一緒に食事をする際に、相手への気遣いや、自分勝手な行動を控える必要性が生まれます。その経験を通して、協調性や社会性を育むことができる。特に子どもは、大人の行動を真似するため、大人が率先して正しい食事のマナーを実践することが重要になる。
さらに読む ⇒スポトリ出典/画像元: https://spotri.jp/nutrition/6227/共食は、家族の絆を育むだけでなく、心身ともに健康な成長を促す効果があるんですね。
調査結果から、現代の家族は、個人の自由や利便性を重視する一方で、家族としての絆や共食文化が失われつつあることが浮き彫りになりました。食卓を通して家族のあり方を考えさせられる内容となっています。
まあ、昔は、家族でご飯食べて、みんなでワイワイやってたけんね。
書籍情報:ぼっちな食卓 限界家族と「個」の風景
本書は、現代社会における家族の姿を、食卓という身近な視点から見つめた興味深い作品ですね。
✅ 「ぼっちな食卓」は、岩村暢子氏による「個人の自由」を追求した家族の姿を描いたノンフィクション作品です。
✅ 本書は、食卓という誰もが経験する日常的な場を通して、家族のあり方の変化と「個」中心社会の現状を浮き彫りにしています。
✅ 綿密な食卓調査に基づき、現代社会における家族のあり方と、個人の自由が家族関係に及ぼす影響について考察しています。
さらに読む ⇒中央公論新社出典/画像元: https://www.chuko.co.jp/tanko/2023/09/005691.html個人の自由と家族のあり方のバランス、難しい問題ですね。
ぼっちな食卓 限界家族と「個」の風景は、岩村暢子著の単行本で、2023年9月7日に初版が刊行されました。価格は1870円(税込)で、四六判、256ページです。ISBNコードはISBN978-4-12-005691-8です。本書は、好きなものを好きなときに好きなところで食べる「個人の自由」を突き詰めたとき、家族はどうなっていくのか、類を見ない綿密な食卓調査を通して明らかにします。超「個」社会の現実を描いた作品です。
昔は、家族は家族、みんな一緒だったのよ。
本書を通して、現代の家族が抱える課題について考える良い機会となりました。
💡 現代の家族は、個を重視する傾向が強まっている。
💡 家族揃って食事をする機会が減少し、個々の家族が自分のしたいこと、食べたいものを優先するようになっている。
💡 家族崩壊の現実と、その原因を探り、現代家族が抱える課題について解説した。