茶道と禅、深い関係があるってホント?とは!?
💡 茶道は禅の思想を基に発展した
💡 茶道と禅は密接に関係している
💡 茶道を通して禅の精神を学ぶことができる
それでは、最初の章に移りましょう。
茶道と禅の深い関係
茶道の精神は「和敬清寂」という言葉に集約されているんですね。
✅ 「和敬清寂」は日本茶道の核心思想で、茶道始祖の珠光が提唱した「謹敬清寂」から、利休が「和敬清寂」へと改めました。
✅ 「和」は心の状態を表し、人との調和を重視し、そこから生まれる「敬」は相手への敬意を表します。
✅ 「清」は心の清浄さを表し、煩惱を離れて穏やかな「寂」の状態に至ることで、茶道を通して禅の心を体得することができます。
さらに読む ⇒大人的器物學-溫事X茶之器古書堂出典/画像元: http://www.studioss.com/utsuwa/zen-page-606.htm深いですね。茶道を通して禅の心を体得できるなんて、素敵です。
茶道は、禅の教えを根底に持ち、その思想は日常生活における精神修行に深く影響を受けています。禅は、書物ではなく、自身の体験を通して悟りの境地に至ることを重視する『教外別伝不立文字』を基本とし、自己を見つめ直す内省的な修行を重視します。茶道においても、実践を通して礼儀作法や道具の扱い方を学ぶことが重要視され、単なる道楽ではなく、精神的な研鑽の側面を持つと考えられています。茶道の精神を表す『和敬清寂』の四規や、千利休による『七則』にも、禅の教えが色濃く反映されています。四規『和敬清寂』は、それぞれ『和』は調和と協調、『敬』は敬意と礼節、『清』は純粋さ、そして『寂』は落ち着きと静寂を表し、禅的な精神世界を体現しています。七則は、「茶は服のよきように点て、炭は湯の湧くように置き、花は野にあるように、夏は涼しく冬は暖かに、刻限は早めに、降らずとも雨の用意、相客に心せよ」という教えで、一見当たり前のことを完璧に追求する禅の教えに通じます。茶室に掛けられる禅語の掛け軸も、茶道と禅の深い結びつきを示す象徴的な例です。例えば、円相は言葉を超えた完全性を表現し、『喫茶去』はリラックスして茶を味わうよう促す言葉、『看脚下』は目の前の大切なものを見落とさないようにと説きます。これらの禅語は、茶道の精神に奥行きと深みを与え、単なる儀式を超えた精神的な世界観を構築しています。
なるほどね。つまり、茶道って精神修行みたいなもんか?
茶道の精神:和敬清寂と七則
「四規七則」は、茶道を実践する上で重要な指針となるんですね。
一つずつ詳しく解説! – マッチのお抹茶倶楽部(裏千家茶道)
公開日:2022/09/01
✅ 「四規七則」は、茶道の祖・千利休が示した茶道における重要な心得をまとめたものです。
✅ 「四規」は「和敬清寂」で、それぞれ主客間の仲睦まじさ、敬意、清らかさ、静寂を表し、茶席における心構えを示しています。
✅ 「七則」は、利休が茶の極意を示したもので、茶室の環境、茶道具、茶葉、炭、湯、茶の湯の作法など、具体的な茶道の心得を7つの項目にわたって詳しく解説しています。
さらに読む ⇒マッチのお抹茶倶楽部(裏千家茶道)出典/画像元: https://match-life.com/shiki-shichisoku/茶道は、単なる作法だけでなく、深い精神性を持つものだと改めて感じました。
茶道の精神は『四規七則』によって表現されます。『四規』は『和・敬・清・寂』の四つの言葉で、茶道に対する千利休の想いを示しています。和お互い仲良くすること、心を一つにすることを意味します。茶道では亭主と客がお互いの役割を果たし、一会の茶事や茶会を成り立たせることを『一座建立』と言います。一座建立は、主客の和、客同士の和、道具の一体感、自分の心と身体の一体感、全てが調和することで実現します。敬お互いを敬い合い、自らを慎むことを意味します。人同士の尊敬の念だけでなく、道具への尊敬の念、茶室に飾られた茶花への念、自分の周りにあるものすべてを敬う心を意味します。清清潔さ、心の清らかさを意味します。心の中の曇りを払い、清らかな心でいることが大切です。茶室に入る際に手水鉢で手を洗い口をゆすぐのは、物質的な汚れを流すだけでなく、心身を清める意味合いがあります。寂どんな時にも動じず、なにものにも乱されることのない不動の心を意味します。茶の湯の精神を通して自然を見つめ、自然の中に溶け込み一体化することで、自分自身を見つめ、不動の精神を育みます。『七則』は利休が定めた茶道の教則で、茶の湯の具体的な実践方法を示しています。『茶は服のよきように、炭は湯の沸くように置き、夏は涼しく冬は暖かに、花は野にあるように、刻限は早めに、降らずとも雨の用意、相客に心せよ。』『四規七則』は、茶の湯の精神を理解するための重要な指針となります。現代においても、これらの教えは人生の様々な場面で役立ちます。
あんた、茶道はね、生き様そのものよ!人生の縮図みたいなもんよ!
禅宗の歴史と茶道の発展
栄西は、茶を日本に広めた人物なんですね。
✅ 栄西は、中国から茶を持ち帰り日本で茶の栽培と文化を広めたことで「茶祖」と呼ばれる。
✅ 栄西が持ち帰った茶は、禅宗の修行に役立つ覚醒作用を持つ碾茶であり、茶礼という喫茶儀礼は、後の茶の湯へとつながる。
✅ 栄西は、茶の医学的効能や栽培方法について記した「喫茶養生記」を著し、茶の文化を広める活動を行った。
さらに読む ⇒Japanese Green Tea出典/画像元: https://fareastteacompany.com/ja/blogs/fareastteaclub/people-related-to-japanese-tea-eisai禅宗と茶道の歴史は、深くつながっていることがよくわかりました。
禅宗は、インドから中国に伝わった達磨大師によって中国に伝えられた仏教の一派です。中国では、唐代末期に廃仏毀釈の嵐の中で衰退した旧仏教とは対照的に、禅宗だけが生き残り、南宋時代には臨済宗・曹洞宗が隆盛を迎えました。その後、元時代にチベット仏教が国教となったため、多くの禅僧が日本へ渡り、鎌倉時代に栄西が臨済宗黄竜派を日本に伝えました。鎌倉時代には禅宗以外にも浄土宗、浄土真宗、日蓮宗が誕生し、仏教は一般民衆の信仰を集めました。室町時代には、禅宗は武士階級にも広まり、幕府の五山制度の禅院保護政策により隆盛を極めましたが、室町幕府の滅亡と共に衰退しました。戦国時代には織田信長によるキリスト教布教政策の影響で仏教は迫害されましたが、江戸時代には隠元によって黄檗宗が開かれ、白隠慧鶴禅師によって臨済宗が再興されました。江戸時代までは、禅宗は臨済宗・曹洞宗・黄檗宗の区別なく、一まとめに扱われていました。茶は禅宗の僧によって鎌倉時代に日本へ持ち込まれ、薬として使われていましたが、禅宗の普及と共に喫茶の文化も広まりました。栄西は持ち帰った茶の種を筑前の脊振山に捲き、茶栽培を推進し、お茶を飲む習慣を日本に持ち込んだことで有名です。現在の茶道では、家元を始めとする茶家の方々が禅宗の僧を師として修行しており、禅宗が茶道の精神性の基になっています。
栄西って人、お茶持ち帰って日本に広めたんか!すごい!
茶道における「茶禅一味」の精神
「茶禅一味」の精神は、茶道の根底にある重要な考え方なんですね。
✅ この記事では、茶道の精神を探求するため、村田珠光、武野紹鴎、千利休の3人の大茶人の名言を紹介しています。
✅ 彼らは、茶道の世界で大きな影響力を持つ先達であり、彼らの言葉は現代にも通じる価値観を含んでいます。
✅ それぞれの言葉を通して、侘び茶の精神、茶の湯における美意識、そして茶道が重視する精神的な価値観について理解を深めることができます。
さらに読む ⇒日本文化をわかりやすく紹介する情報サイト出典/画像元: https://watsunagi.jp/tradition/12721/茶道の世界観は、本当に奥が深いですね。
茶の湯(茶道)の成立過程では、中国的なものから離れ、和様化が進みましたが、なぜ禅と茶の湯(茶道)が不離の関係になったのかは、千利休の弟子である山上宗二の言葉「茶の湯は禅宗より出たるに依りて、僧の行を専にする也。珠光・紹鴎・皆禅宗也。」に端を発しています。千利休は自身が開いた茶の湯「侘び茶」の「開山」を珠光として位置づけており、「侘び茶」は禅宗から生まれたものであると言えるかもしれません。茶の湯(茶道)、特に「侘び茶」の世界観では、「茶禅一味」という考えが大切にされていますが、禅が「清浄無垢の世界」を目指すという精神は、天地自然の摂理の中で生きてきた縄文時代以来の日本人の精神とも相通じるものであり、利休たちはそれが日本人の本質を形成していると考えたのかもしれません。茶の湯(茶道)は、中国から伝来した禅と一体となって、「茶禅一味」という基本理念を保持し続けてきたのです。
茶道って、やっぱり奥が深いね。
今回の記事では、茶道と禅の深い関係について、様々な角度からご紹介しました。
💡 茶道は禅の思想を基に発展してきた
💡 茶道には「和敬清寂」や「茶禅一味」といった精神が根底にある
💡 茶道は単なる作法を超えた精神的な世界観を持つ