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上野千鶴子 認知症と在宅死 高齢者の尊厳を守れるか?認知症と在宅死 とは!?

上野千鶴子  認知症と在宅死  高齢者の尊厳を守れるか?認知症と在宅死  とは!?
📘 この記事で分かる事!

💡 認知症を抱えた高齢者の在宅死は、現行の介護保険制度では難しい現状がある。

💡 上野千鶴子氏は、認知症の在宅死における課題や、介護制度の現状を指摘している。

💡 高齢者の尊厳とケアの限界、そして今後の展望を探る。

それでは、第一章、認知症と在宅死についてお話していきましょう。

認知症と在宅死 高齢者の尊厳とケアの限界

認知症の初期段階におけるケアの必要性と、現状の介護保険制度の課題が浮き彫りになりました。

上野千鶴子×小島美里対談(中編)~認知症でも在宅ひとり死は可能か?

公開日:2022/12/20

上野千鶴子×小島美里対談(中編)~認知症でも在宅ひとり死は可能か?

✅ 認知症でも在宅での最期を迎えることは、現行の介護保険制度では非常に困難である。特に、認知症初期の段階においては、本人や家族にとって大きな負担となる。

✅ 認知症の初期は活動的で、見守りが不可欠だが、現在の介護保険制度では訪問介護の頻度が不足しており、外出や事故のリスクが高い。また、認知症の判定基準が身体的な自立度に偏っているため、介護の必要度が過小評価される可能性がある。

✅ テクノロジーを活用することで、認知症の方の見守り体制を強化できる可能性がある。しかし、認知症の方自身がテクノロジーを利用することに抵抗がある場合も多く、課題が残る。

さらに読む ⇒認知症とともにあるウェブメディア|なかまぁる出典/画像元: https://nakamaaru.asahi.com/article/14796362

上野千鶴子さんの主張は、介護の限界を「ケアする側の限界」と捉え、当事者主権を尊重するという点で、非常に重要だと思います。

上野千鶴子さんは、認知症への備えとして、任意後見、身上監護、死後事務委任の3点セットを挙げ、その重要性を説いています。特に、独居で認知症になっても在宅死が理想だと考えており、介護の限界を「ケアする側の限界」と捉え、当事者主権を尊重するべきだと主張しています。また、認知症になったとしても、社会から姿を消すのではなく、ボケた姿を世間に見せることで、高齢者のあり方について考えるきっかけを作るべきだと訴えています。高齢者が認知症になっても、その姿を隠すのではなく、オープンにすることで、社会全体の認知症に対する理解を深め、高齢者の尊厳を守ることができると考えているようです。上野千鶴子氏と小島美里氏の対談では、認知症を抱えた人が自宅で亡くなることの難しさについて議論されました。特に、認知症初期の不安定な時期におけるケアの不足が問題視され、介護保険制度の要介護認定における認知症の要素が考慮され、ケア提供回数の増加や訪問介護の頻度制限の緩和などを求める声があがりました。一方、テクノロジーによる見守りやGPSの利用の可能性も示唆されましたが、認知症の方の抵抗やプライバシーの懸念などが課題として挙げられました。この対談は、認知症ケアの現状と課題、そして今後の展望について重要な示唆を与えてくれます。

めっちゃ深い話やんなぁ。介護ってホンマに大変そうやけど、お年寄りも自分らしく生きたいんやろなぁ。

上野千鶴子 ジェンダーと社会変革への挑戦

上野千鶴子さんの活動は、ジェンダー平等や社会変革への意識を高める上で非常に重要だと感じます。

上野千鶴子
上野千鶴子

✅ 上野千鶴子氏は、日本を代表するフェミニストであり、社会学者として、家族社会学、ジェンダー論、女性学を専門とする。

✅ 京都大学文学部哲学科を卒業後、東京大学大学院人文社会系研究科で博士号を取得。

✅ 大学教授、NPO法人理事長、学術会議会員など、様々な活動をこなし、近年では米タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」に選出されるなど、その影響力は国内外に広がっている。

さらに読む ⇒Wikiwand出典/画像元: https://www.wikiwand.com/ja/articles/%E4%B8%8A%E9%87%8E%E5%8D%83%E9%B6%B4%E5%AD%90

上野千鶴子さんの言葉は、社会の矛盾や不平等を鋭く見抜き、私たちに深く考えさせる力を持っています。

上野千鶴子さんは、1987年の「アグネス論争」で、働く母親が男性優位社会の美学に縛られることなく、子連れ出勤を擁護したことでフェミニズムの論客として注目されるようになりました。この論争以降、上野さんは精力的に言論活動を行い、言葉が弱者にとって武器となりうることを訴え、結婚の「わな」にはまらないことを選択してきました。上野さんは、2019年の東京大学入学式で、性差別について言及し、恵まれた環境と能力を社会のために役立てるよう呼びかけました。この祝辞は、中国でも大きな反響を呼び、上野千鶴子ブームが起きました。上野さんは、家父長制と差別の中で育ち、「結婚の罠」にはまらない決意をしました。1970年代後半には、「女性学」に出会い、女性自身を研究対象とする魅力に惹きつけられました。そして、1990年には『家父長制と資本制』を刊行し、家事を「労働」と定義することで社会に大きなインパクトを与えました。上野さんは、大学教員を務めながら「主婦」の研究に取り組み、「男女雇用機会均等法」が女性を分断する可能性を指摘するなど、社会問題に対して鋭い視点を持ち続けています。女性解放運動を牽引した田中美津さんのように、上野さんは、女性が自分たちの権利を主張し、社会を変えていくための活動を続けています。

マジ尊敬するわ。上野先生みたいに、世の中を変えたいなぁ。

介護保険制度とジェンダー 女性の負担と労働の価値

介護保険制度の現状と課題は、深刻な問題だと改めて感じました。

介護保険制度が最大の危機を迎えているのは知っていますか? そうなれば結局、損をするのは女たちです。【上野千鶴子のジェンダーレス連載vol.18】 – STORY ストーリィ オフィシャルサイト

公開日:2023/07/29

介護保険制度が最大の危機を迎えているのは知っていますか? そうなれば結局、損をするのは女たちです。【上野千鶴子のジェンダーレス連載vol.18】 –  STORY ストーリィ オフィシャルサイト

✅ 介護保険制度の現状と危機について、上野千鶴子さんとインタビュー形式で解説されています。特に、2024年の介護保険改訂による利用抑制や、2025年問題にともなう後期高齢者の増加による財政負担増加が懸念されています。

✅ 介護保険の利用者負担が原則2割に増える可能性や、ケアプラン作成の有料化などが議論されています。これらの改訂は高齢者の経済状況や家族の負担増加につながる可能性があり、特に経済的に困窮している高齢者や家族のいない高齢者の生活を困難にする可能性があります。

✅ 上野千鶴子さんは、介護保険制度の改訂は、家族に負担を押し戻そうとする「再家族化」と、高齢者の自費サービス利用促進による「市場化」によって、高齢者を放置する方向に進んでいると主張しています。また、政府が財政不足を理由に挙げている一方で、実際には介護保険財政は黒字であることから、政府の主張に疑問を呈しています。

さらに読む ⇒STORY|「新しい40代」のためのファッション&ライフスタイル誌出典/画像元: https://storyweb.jp/lifestyle/315353/

介護労働者の待遇改善は、社会全体の課題であり、ジェンダー問題とも深く関係しています。

上野千鶴子さんは、日本の介護保険制度は「公的家父長制」に基づいており、女性が家事労働として無償で行っていた介護を、低賃金で担わせる構造になっていると指摘します。介護労働者の多くが非正規雇用であり、その背景には、男性が稼ぎ、女性が家計補助労働を担うというジェンダー構造があると考えられます。そのため、介護報酬の設定が低く、ケア労働の値段が安いため、介護現場では人手不足が深刻化しています。また、介護報酬は利用者の負担や公費でまかなうため、介護職員の処遇改善には、利用者の自己負担増も伴います。上野さんは、介護保険制度が「在宅ひとり死」ができる制度であり続けるためには、介護労働の待遇改善が不可欠であり、ジェンダー問題への意識改革が求められると訴えています。

介護って、お兄ちゃんとかお姉ちゃんがやってくれるもんでしょ?なんで女の人が全部やらなあかんの?

大人の世代への責任 未来への貢献と行動

上野千鶴子さんの言葉は、私たち大人世代に対する責任を痛感させます。

「子どもたちや老後を守るため、今が踏ん張りどき」社会学者・上野千鶴子さん
「子どもたちや老後を守るため、今が踏ん張りどき」社会学者・上野千鶴子さん

✅ 上野千鶴子さんは、現在の日本の社会状況について、経済の低迷、国力の低下、子どもの状況、介護問題など、数々の深刻な問題点を指摘しています。

✅ そして、これらの問題に対して、私たち大人世代が責任を持つべきだと訴え、次世代に迷惑をかけないためにも、今こそ行動を起こす必要があると強調しています。

✅ また、コロナ禍における自身の経験から、無駄な時間や行動を減らし、自分自身で快適な環境を作り出すことの重要性を説き、将来の世代のために、現状を改善するために努力していくことの必要性を訴えています。

さらに読む ⇒家庭画報.com|゛素敵な人゛のディレクトリ出典/画像元: https://www.kateigaho.com/article/detail/155557

コロナ禍で改めて気付かされたことは多く、未来のために私たちが行動を起こす必要があると感じました。

上野千鶴子さんは、現在の社会状況を憂慮し、特に経済の低迷、国力の低下、子どもの状況、介護問題などについて、私たち大人の世代に責任があると指摘しています。コロナ禍においても、オンライン化の進展など良い面もありましたが、一方で、的外れなコロナ対策やワクチン開発の遅れ、円安、物価高、国の借金の増大など、深刻な問題も発生しました。これらの問題の責任は私たち世代にあると自覚し、次の世代にツケを回さないよう、行動を起こす必要があると訴えています。上野さんは、高齢者になっても自分の半径3メートル以内を快適に過ごすノウハウを持っていることを強調し、自分たちの世代が責任を負うことの重要性を改めて説いています。

マジかよ、俺らが責任持つとか、ちょっと重すぎるわ。

上野千鶴子さんの視点を通して、社会における高齢者、女性、介護、そしてジェンダー問題について考えるきっかけになりました。

🚩 結論!

💡 認知症の在宅死は、介護の限界と制度の課題を浮き彫りにした。

💡 上野千鶴子氏は、ジェンダー平等と社会変革を訴え、行動を起こすことの重要性を強調した。

💡 高齢者の尊厳とケアの限界、女性の負担、そして大人の世代への責任、様々な課題が提示された。