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『みんなの「わがまま」入門』は、社会運動を身近なものにする本なのか?社会運動への新しい視点とは!?

『みんなの「わがまま」入門』は、社会運動を身近なものにする本なのか?社会運動への新しい視点とは!?
📘 この記事で分かる事!

💡 本書は、社会運動へのネガティブなイメージを払拭し、誰でも参加できることを示唆しています。

💡 社会運動に対する認識や、日常生活における社会運動のあり方について考察しています。

💡 組織における「わがまま」の重要性や、社会運動への参加を促すメッセージを発信しています。

それでは、社会運動の新しい視点、富永京子さんの著書『みんなの「わがまま」入門』について詳しく見ていきましょう。

社会運動への新しい視点 『みんなの「わがまま」入門』

社会運動というと、どうしても敷居が高く感じてしまう方も多いと思いますが、本書では、社会運動を身近な問題と捉え、私たち一人ひとりが声を上げることの重要性を説いている点が素晴らしいですね。

みんなの「わがまま」入門
みんなの「わがまま」入門

✅ 本書は、「わがまま」という言葉を再定義し、自分や他者がより良く生きるために制度や認識を変えていく行動として捉え、社会運動の重要性を説いています。

✅ 著者は、個人が声を上げることは社会運動の一環であり、一見個人的な行動も社会に影響を与えうることを示唆しています。

✅ また、声を上げることは難しい現状や、他人からの期待によるプレッシャーといった課題を克服するために、自分へのハードルを下げ、周りの人に過度な期待をしないよう提案しています。

さらに読む ⇒こここ | 個と個で一緒にできること。福祉をたずねるクリエイティブマガジン出典/画像元: https://co-coco.jp/books/9784865282306/

社会運動を「わがまま」と捉えることで、より親近感が沸き、自分事として捉えやすくなると思いました。

『みんなの「わがまま」入門』は、社会学者の富永さんが、社会運動に対するネガティブなイメージを払拭し、社会運動が困っている人を救うことができることを伝えたいという思いから執筆した本です。本書は、中高生に向けて、社会をクラスや校則に例えるなど、身近な例えを用いて、社会問題をわかりやすく解説しています。特に、芸能人の結婚報道や、KuToo、MeTooなどの社会問題を通して、一見個人的な出来事と思えるものが、社会構造と深く結びついていることを示し、日常の中に社会を考える視点を与えてくれます。また、社会運動への抵抗感を持つ人に対しては、社会運動に参加しない人たちの意見を内面化している可能性を指摘し、その抵抗感を克服するための方法を紹介しています。例えば、「社会運動で社会変わらないじゃん」という意見に対しては、デモが根本的な解決には至らなくても、困っている人の存在を公の場に明らかにすることで、社会を変えるためのきっかけづくりになるという考え方などを示しています。本書は、社会運動に対してネガティブなイメージを持っている人や、社会問題に対して無力感を感じている人にとって、自分の「わがまま」が社会を変える力になることを示す、勇気づけられる一冊です。

へぇ~、なんか面白そうやん!社会運動って、堅苦しいイメージやけど、この本は、もっと身近な話なんかな?

社会運動の多様性 日常生活の中の小さな抵抗

確かに、従来の社会運動研究では組織に焦点を当ててきた側面がありましたが、個人の日常生活に注目することで、より多様な社会運動のあり方が見えてくると思いました。

一枚岩にならない個人化時代の「社会運動サブカルチャー」
一枚岩にならない個人化時代の「社会運動サブカルチャー」

✅ 従来の社会運動研究では、「社会運動は組織的に行われるもの」と見なされ、「組織」を対象として論じられてきましたが、富永先生は「個人」の身近な生活「日常」の延長線上にある社会運動に注目しています。

✅ 抗議行動が活動家個々の日常生活やライフスタイルにも深く関わっているという観点から、分析枠組みを「組織」ではなく、個人の「イベント(非日常)」と「日常」に置きました。

✅ この研究を通じて、多様な社会運動のあり方を捉え、「社会運動サブカルチャー」というこれまでにない概念を提示したこと、また「イベント(非日常)」と「日常」、「組織」と「個人」という分析視角を取り入れる、社会運動研究に新たな視点を加えられたのが、大きな成果です。

さらに読む ⇒立命館大学出典/画像元: https://www.ritsumei.ac.jp/gss/research-stories/issue01/story03.html

社会運動って、何か特別なことをするイメージがありましたけど、日常生活の延長線上にあるものだと考えると、自分も参加できそうだなと、少し勇気がわきました。

富永京子さんは、立命館大学で社会運動を専門に研究する社会学者です。社会運動に対する従来のイメージとは異なり、身近な生活の中にも社会運動は存在すると主張しています。例えば、ジェンダー平等を訴える小学校での呼び名変更や、待機児童問題に対する匿名ブログの発信など、個人の小さな不満や発信も社会運動の一形態と捉えられます。富永さんは、海外では社会運動に対する捉え方が日本より広く、デモ参加率も高いことを例に挙げ、国際比較を通じて日本の社会運動に対する認識を深めることの重要性を説いています。また、日本の社会問題に対する責任を個人に帰属させがちである現状を指摘し、社会構造や制度的な要因を考慮する必要性を訴えています。自身の経験に基づき、社会運動の研究を通して、学生たちに多様な視点を持つことの大切さを伝えています。

へぇ~、そうなんや!日常の中の小さな抵抗って、めっちゃ興味深い!私も、たまに、学校で理不尽なことあるから、社会運動的な感覚で抗議してみよっかな!笑

社会運動への忌避感 秩序不安とネガティブなイメージ

社会運動に対する忌避感が、秩序不安やネガティブなイメージに起因しているというのは、興味深いですね。

社会運動:「ふつう」を捨てて「わがまま」を言うこと―富永京子著『みんなの「わがまま」入門』読後メモ―

公開日:2019/09/08

社会運動:「ふつう」を捨てて「わがまま」を言うこと―富永京子著『みんなの「わがまま」入門』読後メモ―

✅ 記事は、社会運動に対する許容度と評価が、ドイツでは高く、日本は低いことを示しています。

✅ 特に、日本における社会運動の代表性と有効性に対する肯定的な回答は、ドイツと比べて大幅に低く、また、秩序不安に対する否定的な回答も低いことがわかります。

✅ また、記事は社会運動入門書を紹介し、社会運動の定義や意義について解説しています。特に、小熊英二氏は「社会を変えるには、あなたが変わることであり、あなたが動くことである」と述べ、社会運動は個人の変化と行動によって社会を変革する手段であると主張しています。

さらに読む ⇒市民福祉教育研究所 / Institute for Citizen Welfare Education 出典/画像元: https://sakanolab.wordpress.com/2019/09/01/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E9%81%8B%E5%8B%95%EF%BC%9A%E3%80%8C%E3%81%B5%E3%81%A4%E3%81%86%E3%80%8D%E3%82%92%E6%8D%A8%E3%81%A6%E3%81%A6%E3%80%8C%E3%82%8F%E3%81%8C%E3%81%BE%E3%81%BE%E3%80%8D%E3%82%92%E8%A8%80/

確かに、メディアで取り上げられる社会運動は、どうしても過激な印象を与えがちです。社会運動には、様々な形があることを理解することが大切だと感じました。

富永京子氏による『みんなの「わがまま」入門』のインタビューでは、社会運動への関心の高まりと同時に、その忌避感や抵抗感、近寄りがたさがある現状を指摘しています。特に、日本では社会運動に対する「秩序不安」が強く、デモや座り込みに対しては、ドイツと比較して低い肯定的な反応を示す傾向があります。これは、過去の学生運動や新左翼運動のイメージが根強く、メディアによる報道を通してネガティブなイメージが定着している可能性が考えられます。また、実際に社会運動に出くわした際に、イメージとのギャップや不安を感じてしまうという側面もあると指摘しています。さらに、社会運動による道路封鎖などが、生活や労働に直接的な影響を及ぼす可能性があるという観点から、日常生活における「わがまま」とは異なる忌避感につながっている可能性も示唆しています。

えー、なんか、社会運動に対するイメージって、ホンマに人それぞれやんな。私も、学生運動とかのイメージが強くて、ちょっと怖いなぁって思ってたわ。

組織における「わがまま」 改善と変化の力

組織の中の「わがまま」は、改善や変化をもたらす力になり得るとは、改めて考えさせられました。

富永京子さんに聞く:多様化の時代だからこそ大事にしたい職場における「わがまま」の効用
富永京子さんに聞く:多様化の時代だからこそ大事にしたい職場における「わがまま」の効用

✅ 社会運動が社会を変えてきた歴史を踏まえ、一見「わがまま」に見える主張も、生きづらさを感じている人たちが生きやすくなる社会へと変える力を持っていることを説明しています。

✅ 「わがまま」を言うことは、組織の中でこれまで見えていなかった弱者の存在や、不条理を映し出す機能を持つ可能性があると述べています。

✅ 「離脱・発言・忠誠」という概念を紹介し、日本の会社組織では、忠誠心が強く離脱しにくい傾向にあるため、発言しにくい状況にあることを指摘しています。

さらに読む ⇒『日本の人事部』 - HRで会社を伸ばす出典/画像元: https://jinjibu.jp/article/detl/keyperson/2265/

会社組織で「わがまま」を言うのは、なかなか勇気がいることですが、本書で紹介された「離脱・発言・忠誠」という概念は、自分の意見を主張する上で参考になると思いました。

多様化が進む現代において、会社組織における「わがまま」は、個人のニーズや価値観を反映し、組織の改善を促す重要な要素となり得ます。立命館大学産業社会学部富永京子准教授は、社会運動の観点から、組織における「わがまま」の効用について解説しました。社会運動は、一見わがままに見える主張を通して、社会の不条理を露呈し、より良い社会へと変化を促す役割を担ってきました。女性の社会進出やLGBTQの権利向上などがその例です。富永先生は、企業や組織も社会の一部分であり、組織内における「わがまま」は、それまで見過ごされてきた弱者の存在や不条理を浮き彫りにする可能性があると指摘します。ただ、日本の社会では「わがまま」はネガティブなイメージで捉えられがちです。そこで重要なのが、ドイツの経済学者アルバート・O・ハーシュマンの提唱した「離脱・発言・忠誠」という概念です。組織に対する忠誠心を持つ一方で、離脱の可能性を意識することで、より効果的に自分の意見を主張できるという考え方です。組織における「わがまま」は、単なる自己主張ではなく、組織の改善やより良い未来を創造するための重要な要素と言えるでしょう。

会社で意見言うのって、ちょっと怖いよな。でも、この本みたいに、ちゃんと自分の意見言うたら、会社も変わっていくんかな?

「わがまま」を武器に 社会運動への参加を促すメッセージ

「わがまま」を武器に社会運動に参加を促すというメッセージは、非常に説得力があり、共感しました。

寒いから、冷房止めて」って会社で言える? 社会学者の富永京子さん「みんなの『わがまま』入門」

公開日:2019/07/19

寒いから、冷房止めて」って会社で言える? 社会学者の富永京子さん「みんなの『わがまま』入門」

✅ 「わがまま」を肯定的に捉えることで、自身の意見を主張することが誰かの問題解決に繋がることを説いている。

✅ 社会運動を「わがまま」と捉える人の感覚に共感し、日常的な「わがまま」と同様に、社会運動が困っている人を救う可能性があることを示している。

✅ 日常の中で感じた違和感や疑問を社会問題と捉え、「わがまま」を言うことで問題解決の突破口を開く方法を、社会運動や堀江貴文氏の例などを挙げて解説している。

さらに読む ⇒好書好日|Good Life With Books出典/画像元: https://book.asahi.com/article/12548056

日常生活の中で感じた違和感や疑問を、社会問題と捉えて、積極的に声を上げることで、社会を変えることができる。そう考えると、自分も何かできるんじゃないかと、希望を感じます。

「社会運動」という言葉に対するネガティブなイメージを変えるため、本書は「わがまま」という視点を取り入れています。社会運動を「自分たちの声を上げるための手段」として捉え直し、社会問題解決への積極的な参加を促す内容となっています。著者の富永京子先生は、社会運動を「わがままを言うことによって社会を良くすること」と定義し、その重要性を説いています。

私も、社会に対して、もっと「わがまま」言ってみよかな!笑。でも、ちゃんと、みんなのためになる「わがまま」言わなあかんよな!

様々な角度から社会運動を捉え直すことで、私たち一人ひとりが社会に参加できる可能性を感じました。

🚩 結論!

💡 本書は、社会運動を「わがまま」と捉え直し、誰でも参加できることを示唆しています。

💡 社会運動に対するネガティブなイメージを払拭し、その重要性を改めて認識させてくれます。

💡 社会運動への参加を促すとともに、より良い社会を築くための具体的な方法を提示しています。