ブレイディみかこ最新刊『転がる珠玉のように』は社会の矛盾を暴く?コロナ禍のイギリス社会とは!!?
💡 コロナ禍がイギリス社会に与えた影響について解説します。
💡 イギリス社会の多様性を「おっさん」たちの視点から紹介します。
💡 社会問題への関心がもたらす生きづらさからの解放について掘り下げます。
それでは、第一章「コロナ禍が暴き出す社会の脆さ」から見ていきましょう。
コロナ禍が暴き出す社会の脆さ
イギリスの社会問題を、自身の経験を通して率直に語ったエッセイ集ですね。
✅ ブレイディみかこさんの新刊エッセイ集「転がる珠玉のように」は、コロナ禍を経験した3年間の日々の出来事を綴ったもので、イギリスでの日常を通して社会問題や政治への問題提起がなされている。
✅ 著者は、政治や社会問題に関心がある一方で、人間についても深く掘り下げたいと考えており、社会問題と個人の経験を結びつけ、読者に考えさせるヒントを与えている。
✅ 本書では、イギリスでの生活費危機や物価高といった問題が取り上げられるとともに、息子さんやパートナーなど周囲の人々との触れ合いを通して、社会を構成する個人の重要性を訴えている。
さらに読む ⇒リンネル.jp │ 宝島社の雑誌リンネル(Liniere)公式WEBサイト出典/画像元: https://liniere.jp/column/culture/57471/コロナ禍の影響は、社会だけでなく、個人の精神にも深く及んでいると感じますね。
ブレイディみかこ氏の最新エッセイ集『転がる珠玉のように』は、コロナ禍のイギリスでの生活を赤裸々に綴った作品。ロックダウン下の厳格な外出規制、大切な人の看取りをタブレット越しに行わなければいけなかった日々、そしてロシアのハッカー集団によるサイバー攻撃で混乱する医療現場など、予想外の出来事に翻弄されながらも、著者は自身の経験を通して、社会に対する警鐘を鳴らす。コロナ禍によって、誰もが「常識」だと思っていたことが覆され、社会の脆さを目の当たりにしたという。さらに、コロナ禍を経て、人々の不安は増幅し、「独裁者のいない全体主義」に向かう流れを感じているとも語る。イギリスでは一人ひとりの自己主張が強いことから、日本とは異なる社会構造が見られる。学校教育においても、生徒の意見に対して「本当にそうか?」と反証を求めることで、議論することを重視する文化が根付いている。対照的に、協調性を重んじる日本社会では、意見の対立を避ける傾向があり、それが社会の停滞につながる可能性も懸念される。本書は、コロナ禍が私たちに突きつけた課題や、社会の構造的な問題点について、深く考えさせられる作品となっている。
めっちゃ深い話やんな!イギリスって、なんか日本と違う感じするわ。
イギリス社会の断面を映し出す「おっさん」たちの物語
イギリスの「おっさん」たちのリアルな姿が目に浮かびますね。
✅ ブレイディみかこさんの新刊「ワイルドサイドをほっつき歩け──ハマータウンのおっさんたち」は、イギリスの「おっさん」たちとその周りの人間たちの姿を通して、人生の悲哀やイギリスの市井の人々を生き生きと描いたエッセイ集である。
✅ 本書は、EU離脱、移民問題、NHS(国民保険サービス)の危機などで揺れるイギリスの今の状況も反映しており、イギリス社会の断面を垣間見ることができる。
✅ コロナ禍におけるイギリスの状況や労働者階級とミドルクラスの格差、キーワーカーと呼ばれる人々の現状、そして「おっさん」たちを通して見えてくるイギリス社会の多様性など、様々な視点からイギリス社会が描かれている。
さらに読む ⇒リアルサウンド|音楽、映画・ドラマ、エンタメ×テック、書籍のカルチャーサイト出典/画像元: https://realsound.jp/book/2020/06/post-563968.html社会問題だけでなく、人々の日常や人生の悲哀も描かれていて、とても人間味あふれる作品ですね。
ブレイディみかこ氏の最新刊『ワイルドサイドをほっつき歩け──ハマータウンのおっさんたち』は、イギリスのEU離脱や移民問題、NHSの危機などを背景に、周囲の中高年の友人たちを描いたエッセイ集。前作『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』では息子を通して社会を描いたが、本作では゛おっさん゛を通して人生の悲哀やイギリスの市井の人々を生き生きと描き出した。イギリス在住のブレイディみかこへのインタビューでは、コロナ禍のイギリスの現状や、新刊執筆の経緯、゛おっさん゛たちの今、そして本書を通じて伝えたかった思いについて語られた。イギリスでは、コロナ禍においても階級間の格差が顕著で、労働者階級は感染リスクが高まっている一方で、助け合いを通して繋がりが強まっているという。ブレイディみかこは、自身の経験を通して、社会の断面を描き出すことで、読者に多様な視点を与え、理解を深めようとしている。
おっさんって、なんか面白いよね!イギリスの社会って、いろいろあるんやなー。
社会問題への関心がもたらす生きづらさからの解放
対談を通してそれぞれの作品の深みを感じることができました。
✅ 伊藤比呂美さんとブレイディみかこさんの対談記事は、「波」誌での連載作品『道行きや』と『ぼくイエ』(『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』)を題材に、それぞれの作品に込められた「ミスすること」の意味について考察しています。
✅ ブレイディみかこさんは、「ミスする」という日本語に翻訳できない、英語の「miss」という単語が持つ「不在」や「存在しないことを認識する」というニュアンスに注目し、伊藤比呂美さんの作品が「ミスする」ことをテーマに書かれていることを指摘しています。
✅ 伊藤比呂美さんは、ブレイディみかこさんの解説によって初めて自分の作品が「ミスする」ことをテーマにしていたことに気づき、作品を通して「ミスする」ことが人生において避けて通れない事実であり、それを感じ続けることが生きるということだと認識しています。
さらに読む ⇒新潮社出典/画像元: https://www.shinchosha.co.jp/book/101752/ミスすることへの考え方、人生における「ミスする」ことの重要性について考えさせられました。
ブレイディみかこさんは、女性エッセイストが政治や社会問題について書くことに対する違和感を感じ、ジェリー・バーチェルのような、身の回りの話から社会問題へと繋げるコラムニストの存在が影響を与えたと語っています。イギリスでは、政治や社会問題を日常的に会話に取り入れる文化があり、意見を表明することが重要視されるため、ブレイディさんも家族や友人と政治について議論する様子が『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』にも描かれています。コロナ禍においては、イギリス政府による厳しい外出制限など、日本以上に生活の変化があったと感じています。しかし、コロナ以前の暮らしに完全に戻ることは難しいと考えており、特に個人の行動を制限する政府の介入が当たり前になってしまったことに警鐘を鳴らしています。ブレイディさんはコロナ禍においても、「なんとかなると信じてもがいていくしかなかった」と語り、その過程で頼りにしていたものとして、家族や友人とのつながり、そして社会問題に対する関心を挙げています。コロナ禍においても、社会問題に対する関心を持ち続けることが、生きづらさからの解放につながると考えています。
ミスって、なんかネガティブなイメージやけど、おばあちゃん的には、ミスってこそ人生って感じがするわよ!
コロナ禍のイギリスにおける「エンパシー」の重要性
エンパシーという概念について、深く考えさせられる内容でしたね。
✅ 著者は、エンパシーを「他者の靴を履くこと」と表現していますが、日本では「共感」という言葉が一般的で、エンパシーと共感の違いを明確にする言葉が求められていると感じています。
✅ 著者は「他感」という言葉がエンパシーの訳として適切だと考えますが、すでに「他感作用」という言葉が存在しており、意味が異なるため使えません。
✅ 著者は、「他感」という言葉はエンパシーの訳語として面白いと感じつつも、別の言葉を探し続けることを決意しています。
さらに読む ⇒CREA | クレア ウェブ 好奇心旺盛な女性たちへ出典/画像元: https://crea.bunshun.jp/articles/-/49810コロナ禍において、他者への理解と共感の重要性を改めて感じました。
ブレイディみかこさんの最新刊『他者の靴を履くアナーキック・エンパシーのすすめ』は、コロナ禍のイギリスにおける「エンパシー」の重要性を訴える。パンデミック下で、医療従事者への拍手は単なる美談で終わってしまい、彼らの労働価値の低さは改善されていない。看護師の賃上げが物価上昇率を下回る現状では、政府にはエンパシーが欠如しているという。ブレイディみかこさんは、「エンパシー」はジェンダーやフェミニズム問題解決のカギであると同時に、女性が「やりがい搾取」に陥りやすい危険性も孕むと指摘する。自身もイギリスで保育士として働き、25年以上にわたって労働者の視点で社会問題を捉えてきたブレイディみかこさんの経験に基づいた鋭い観察と分析が光る一冊だ。
エンパシーって、なんか難しい言葉やけど、要は人の気持ちになれるってことやろ?
ロックダウンがもたらすメンタルへの影響
ロックダウンの影響は、精神的な面にも大きく出ているようですね。
公開日:2021/09/03
✅ ブレイディみかこさんは、英国での3度目のロックダウンによってメンタルが落ち込んでいる。
✅ ロックダウンが長期化し、冬という季節も相まって、気分が落ち込む原因になっている。
✅ 普段は図書館やカフェで原稿の推敲作業を行っていたが、ロックダウンによりそれが不可能になり、家にいる時間が増えたことで精神的に追い詰められている。
さらに読む ⇒婦人公論.jp|芸能、事件、体験告白……知りたいニュースがここに!出典/画像元: https://fujinkoron.jp/articles/-/4315?display=fullコロナ禍の影響は、人々のメンタルにも大きな負担をかけていると感じます。
ブレイディみかこさんは、英国で3度目のロックダウンが続いている中で、メンタルが落ちていると語っています。今回のロックダウンは2ヵ月半も続いており、トンネルの先の光が見えない状況が続いているためです。さらに、冬ということもあり、英国は暗くて寒く、気分が落ち込みやすい状況です。加えて、図書館やカフェが閉鎖されているため、ブレイディさんは普段通りに原稿の推敲をすることができず、作業が進まないことに悩んでいます。公園のベンチで推敲を試みても寒さや警察に見回られるなど、様々な困難に直面しています。ブレイディさんのような状況は、日本の人々には理解しづらいかもしれません。しかし、ロックダウンは実際に多くの人々の生活に大きな影響を与え、メンタルにも深刻な影響を与えていることを理解する必要があります。
ロックダウンとか、マジきついよねー。俺だったら、家でずっとゲームしてるわ!
ブレイディみかこさんの最新刊は、コロナ禍で揺れるイギリス社会の現状を、多角的に描き出した力強い作品と言えるでしょう。
💡 イギリス社会の現状、特にコロナ禍における変化や課題が浮き彫りになっています。
💡 社会問題と個人の経験を結びつけ、読者に考えさせるヒントを与えています。
💡 エンパシーの重要性、社会における「ミスすること」の意味など、深みのあるテーマが扱われています。