タコの眠らない生活：人間のように睡眠が二段階あると判明

沖縄科学技術大学院大学らの研究グループが明らかにしたところによると、タコは人間と同じようにレム睡眠とノンレム睡眠に似た二段階のモードによる睡眠をとっていることが判明した。

これは無脊椎動物にも二段階睡眠が存在することを示唆し、タコの認知機能についても新たな考察がなされている。

人間の睡眠と同様に、タコの睡眠にも興味深い発見がある。

ソデフリタコは睡眠時間が長く、日中は眠り、夜になるとエサを求めて移動する生き物である。

研究者は脳に電極を入れた睡眠中のソデフリタコを物理的に起こし、その結果、浅い睡眠中の脳波が観察された。

沖縄科学技術大学院大学らの研究グループによると、タコは人間と同じようにレム睡眠とノンレム睡眠に似た二段階のモードによる睡眠をとっていることが明らかになった。

これまで二段階睡眠は哺乳類や鳥類にしか存在しないと考えられていたが、無脊椎動物にもあることが示唆されるという。

さらに、タコの認知機能についても人間のように複雑な可能性が考察されている。

人間の場合、浅い眠りのレム睡眠の間に夢を見ることが多い一方、ノンレム睡眠は脳の疲労を回復させるための深い眠りを指す。

両者をバランス良く取ることで疲れが取れたり、記憶が定着したり、感情をコントロールしたりすると考えられているが、詳しい仕組みはまだ分かっていない。

人間の夢と動物の睡眠メカニズムについての研究成果が、日本学術振興会の科学研究費助成事業を受けて行われた。

6月29日の英学術誌「ネイチャー」電子版に掲載され、沖縄科学技術大学院大学が同日に発表した。

ライター准教授は「人はなぜ眠るのかを研究したいと考えている。

人と頭足類で同じような睡眠メカニズムがあることが分かったため、生き物にはなぜ『眠りが必要なのか』の研究を進めていきたい」とした。