ポスト東京2020：スポーツ産業がもたらす社会変革の可能性

スポーツ産業の成長には、地域密着型のサービス業クラスターやグローバル/リージョナルにDXで大きく稼ぐサービス業の顔が必要になります。

欧米では合法化されたスポーツベッティングがスポーツの成長戦略の鍵となっており、その収益は福祉や地域課題解決に還元される仕組みが機能しています。

２０１８年の合法化以降、アメリカではスポーツの放映権契約額が増額し、税収が様々な福祉に活かされる資金循環が生まれている。

一方、日本のスポーツベッティングは収益が全く還元されていない現実がある。

この点を含め、スポーツベッティングの収益が日本にどう還元されるべきかについて議論が必要である。

また、地域のスポーツ産業を育成するためには、稼ぐ力を意識することが重要であり、ベルギーリーグの事例が示すように、選手の育成と収益の関係性についても考える必要がある。

２０１８年６月の解禁以降、米国のスポーツ産業はベッティング中心に動いていると言っても過言ではありません。

にわかファンも含めてスポーツの裾野は広がりましたし、ブックメーカーがスポンサーになるなど広告の世界も変わっています。

顕著なのはテレビ放送で、スポーツベッティングが解禁されて放映権が跳ね上がっているのみならず、それまで禁じられていたのですが、解説者は「掛け率に基づいたコメント」もできるように一変しました。

例えば、野球ならば掛け率を参照にしてどちらのチームが有利か、次の回にクリーンアップに回った場合、点が入ると考えている人の割合はどのくらいかなど視聴者を惹きつける解説や実況が可能になりました。

また、ＥＳＰＮ（世界最大手のスポーツ専門チャンネル）をはじめ各局ではベッティングのための予想番組が花盛りです。

ベッティング解禁の動きは、ニュージャージー州の税収不足がきっかけです。