売られた子供の現実と未来を考える

私には本当は夢があって…、学校へ行って勉強というものをしてみたかったなあ」と言っただまされて売春宿に売られた少女が、20歳で亡くなる前に漏らした言葉です。

未成年の少女たちがだまされて売春宿に売られるのは、世界では年間100万人もの子どもが、人身売買の被害者になっていると言われています。

そんな現実を知った村田早耶香さんは、大学の国際問題の授業で配られた新聞記事でぶつかりました。

その後、2001年に彼女は大学2年生であった。

「当時の私と1歳しか違わない人がこんな風に売られてしまう。

家族のために働く優しい親孝行な子が、こんな風に深く傷つけられて亡くなってしまったということが衝撃でした」と彼女は言った。

その人身売買の金額は、当時日本円で1万円だった。

その時、彼女が売られた金額は、ちょうど1万円で買ったバカリーワンピースを買うだけの金額だったんです。

人身取引は、支配下に置かれたり引き渡されたりして、売春や性的サービス、労働などを強要される犯罪であり、重大な人権侵害です。

多くの被害者は社会的・経済的に弱い立場にある女性や子供で、男性も被害者となることがあります。

売春や性的サービスの強要だけでなく、労働搾取や臓器の摘出を目的とする場合もあります。

被害者には暴力や脅迫を振るるだけでなく、弱い立場にあることにつけ込まれ、支配下に置かれることがあります。

人身取引は、性的搾取、労働搾取、臓器摘出の目的で支配下に置いたり、引き渡したりすれば、金銭の授受や暴力、脅迫、詐欺などの手段が用いられない場合でも、「人身取引」とみなされます。

刑法の略取・誘拐罪や人身売買罪、児童福祉法違反の罪などの犯罪に該当することとなります。

我が国においても、令和4年（2022年）には人身取引事犯の被害者として46人が保護されており、事例1では売春させることにより対償を得ようと考え、同女に暴行や脅迫を加えた上、不特定の男性を相手に売春させた事例があります。

事例2では短期滞在の在留資格で入国させたフィリピン人女性4名を監視下に置き、不法残留させたままホステスとして稼働させていた。

事例3では実習実施者として受け入れていた複数の技能実習生に対して暴力を振るい暴言を浴びせ、技能実習生のぜい弱な立場に乗じて違法な時間外労働を行わせるなどした。

これらの事例からわかるように、人身取引は労働や性的な迷惑にもよります。

人身取引が性的搾取のきっかけとなり、女児や女性が売られるのは男性がそれを買うためである。

この経路により、被害者は体や心を著しく傷つけられ、HIVを感染し、最終的には商品価値がないと捨てられる偶然なことではない。

また、児童ポルノや成人ポルノ人身取引の対象となる女性や子供が性的コンテンツを作成して販売する組織も存在し、インターネットの普及により、素人であっても容易に動画や画像を世界に向けて発信することができる。

このような環境も、性的搾取と人身取引の発生に繋がる。

さらに、女児や女性が反抗的な態度を示すと、暴力を用いて屈服させようとする場合もある。

村田さんは、カンボジアにある人身売買の被害者を支援する施設を訪ねました。

そこで、彼女は6歳と12歳の姉妹を出会い、彼女たちの売春の状況を知りました。

12歳の子の腕には、保護されたとき、電気ショックによる火傷の跡が無数にあったそうです。

二人は抵抗できないように、電気ショックを与えられながら売春されていたのです。

姉妹の親は、彼女たちが売れていく先が売春宿であることを知っていたそうです。

借金を背負っていたため、彼女たちを売るしかなかった。

彼女たちの状況を見て、「こんなひどいことは、絶対になくさなくてはいけない」と彼女は強く思いました。

その想いを持って、大学の3年生のときに「認定NPO法人かものはしプロジェクト」を立ち上げ、人身売買の問題解決に支援活動を始めました。

強制結婚の被害者はほとんどが女性である。

これは、貧困が多くあるため、金品との交換されることが多いためです。

被害者は家族の手で金品と交換するかたちで売られていくことが多いため、本来は自分を守ってくれるはずの家族によって被害されてしまいます。

また、児童婚や子どもの花嫁という現象も問題の背後に貧困が存在していることを示しています。